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キャバ嬢

すれ違い

「華ちゃん、明日は土曜日で休みだからドライブしない??店が始まるまでに帰るし、同伴しても良いから。俺さぁ、華ちゃんに似合う車を買ったんだよね」
「ほんとですかぁ、華、うれしぃ・・・アッ、ごめんなさい。明日はね両親が来るんだ。華の事を信用してないのか、時々、様子を見に来るんだよね・・・太田さんと居ると楽しいから忘れるところだったァ・・・ゴメンネ」
「そっか、ご両親が来るんじゃしょうがないね。また今度ね・・・ご両親はこの仕事のことを知っているの??」
「教えてないの・・・東京は物価が高いから仕送りだけじゃ大学に通えないなんて言えないもん・・・私や弟のために苦労しているのを知っているからね」
「えらい。華ちゃんは浮ついたところがないから偉いよ。キャバ嬢ってなんかフワフワしてるように思うけど華ちゃんに限ってそんな事はないもんな」

「なに笑ってるの??」
「懐かしい会話だなぁって思ってさ」
「振り返って確かめるのは悪趣味だよ。よしなさいよ」
「ごめん、どんな男か気になってね」
「あの人の席にヘルプで付いたことがあるんだけど・・・普通に良い人なんだけどね」
「恋は盲目、華ちゃんの言う事は何でも正しいんだろうね。夢を求めて通う好い男の子」
「ウフフッ、柏木さんにもあんな時代があった??」
「現実に気付いた時に単に騙されたと思うか、女性も苦労してるんだなぁと思えるかであの男の値打ちが決まるんだろうな」
「柏木さんは後者??それとも前者だったの??」
「オレは弥生のような人と会えたから女性を信じ続けることが出来たよ」
「クククッ・・・私のすべてが演技かもよ。どうする??」
「弥生のすべてが演技で、今も騙されてるんなら最後まで騙し続けてくれるかな」
「そんな事・・・私には柏木さんに対して余裕が無いことを知ってるのに・・・」
「弥生と居る今の時間は本気だよ、それ以上は言えない・・・ごめんね」

「おかわり作る??」
「うん、もう少し濃くしてくれる」
「柏木さんの時間全てを欲しいなんて思わなきゃ関係はいつまでも続くんだよね」
「弥生だけしかいないって、そんな嘘は言えないからね」
「奥さん意外にも付き合ってる人は居るの??」
「いないよ」
「奥さんの次に好きだって言ってくれると嬉しいな・・・」
「困らせるなよ。オレが弥生に与えられるものは経験しかない。大切な人だと口にすれば弥生に負担をかけてしまう」
「どういう事??」
「オレが弥生を大切な人だと宣言すれば、それが弥生の負担になる。オレには帰る家がある、全ての時間を弥生に費やすことは出来ない。弥生は優しいから全ての時間を遣ってオレのために尽くしてくれるんじゃないかと思ってしまう。オレの思い上がりならいいんだけどね」
「それでも良いじゃない。私がそうするって言うなら・・・」
「遊びの相手としてはつまんないかな、オレは・・・」
「うぅうん、遊び相手としては理想的だと思うよ。束縛されることもないし・・・柏木さんの言う経験も私には新鮮なことが多いし・・・でもね、2人っきりの時は冗談でもいいから・・・せめて、好きって言いたいじゃない・・・愛してるって言えなくても」
「弥生の若さをオレは貰ってるんだよね。時間って言い換えてもいいけど、オレが弥生の大切なものを貰ってるんだよ」
「ズルイ言い方をする・・・それで言いくるめちゃうんだよね」
「弥生には幸せになって欲しいから」
「私の幸せが何処にあるのか気付いてないの??」

「弥生さん、お願いします」

「ごめん、指名が入ったみたいなの。待っててくれる??」
「いや、今日は帰るよ」
「明日は土曜日でしょ、いつものところで待っていてもいぃ??」
「明日は止めよう・・・明後日、日曜の夕方でどう??場所は同じで・・・」
「えっ・・・うんっ、ありがとう・・・お店は休みでも、わがままは言わないから・・・あなたが帰るって言えば、笑顔でバイバイするから・・・でも・・・」
「あぁ、いいよ。オヤスミの言葉に替えてキスをするよ・・・いつものようにね」
「うん、今は我慢する。一応はプロだからね、ほかのお客様の目もあるから・・・送れないけど、今日はありがとう・・・」
「うん。早くいかないと、指名客が首を長くし待ってるよ・・・」
「それじゃ、行くね・・・キスは日曜日にまとめてしてもらうから我慢する・・・」
「飲み過ぎんなよ・・・」


                                                         <<おしまい>>

おとぎ話

約束

まだまだ昼間の明るさが残る中、店の看板に灯りを入れた由美は西の空がオレンジ色に染まる景色に思わず感嘆の声を洩らす。
「きれいっ・・・」
今日の終わりを告げ、別れに名残を残すかのように雲の中の夕日は地上に向けて幾筋もの光の筋を下ろす。
いつもより1時間ほど早く開けた店のカウンターに立ち、今日こそ良い事があるかも知れないという期待で自然と笑みが浮かぶ。

「いらっしゃ・・・いらっしゃいませ」
ドアに向け一瞬浮かべた笑顔が怒りの表情に変わり、入ってきた客から視線を外して表情が消えた顔に変化する。

カメレオンのように変化する顔を見ても笑うことも出来ずに困ったような表情の男はスツールに座り、ぎこちない笑みを浮かべてカウンターの中の女に声を掛ける。
「ごめんね、3週間ぶりになっちゃった。これはお土産」
「ふ~ん、私のことは忘れていなかったんだ」
「ごめん・・・」
「守れない約束をする人は好きじゃないし、期待だけで済ませるような事もされたくない」
「ごめん・・・ジントニックを一杯飲ませてくれる??」
「言い訳もしないで終わりにする気なの??」
「急な用で連絡する暇も無く出掛けちゃったんだよ」
「遠いところ??」
「そう・・・ごめん。連絡しなきゃと思いながら、忙しさに感けてしまった。本当にゴメン」
「しょうがない、許してあげる。遠いんじゃね・・・忙しいのは分かるけど翌日でもいいから電話くらいしてよね」
「うん、大切な事を忘れてた」

「もう3年経つんだよね、私たち・・・」
「由美がそばに居るのが当たり前に思えて、つい甘えてしまった。由美はオレには過ぎた女だよ」
「ほんとにそう思ってくれる??」
「オレの事を理解し、我がままを許してくれる。オレには過ぎた女だよ」

「女にとって男との約束の日は待ちどうしくって、どんな楽しいことがあるんだろうって色々期待するの。連絡もなくすっぽかされると事故じゃないか病気になったんじゃないかと心配に変わり、そんな日が続くと絶望に変わるんだよ。心配や絶望に要する日数はその人をどれくらい想っているか・・・どれくらい大切な人かによって違うんだけどね・・・」
「ごめんね。由美のことを忘れてたわけじゃないけど・・・甘えが過ぎた、ほんとにごめん」
「分かってくれればそれでいい。これからは貴男しだいだから・・・私は自分の気持ちを確認する日でもあったみたい」
「うん??」
「正直に言うね。3週間も経つのに絶望に変化せず、ずっと待ち続けていたの・・・今日は何か予感があったからいつもより早く店を開けて待っていたんだよ」
「ありがとう。店を閉める頃、もう一度来るよ」
「そんな事をしなくてもいい。今、店を閉めちゃうから・・・手伝ってくれる??」
「いいの??」
「お客様には申し訳ないけど、お店より大切な事があるのはしょうがないでしょ」

客はオレしかいないので片付けるのは早い、由美はカウンターを片付けオレは看板を取り込む。
カウンターに座り空のグラスを弄ぶ由美にウイスキーをかざすと言葉を発せず首を振る。
オレはショットグラスに目一杯注ぎ、一息に飲み干す。
喉から胃まで焼けつくような感じにオレは咳き込む。
「バカなことはしないで。もう、許したんだから・・・聞いてくれる??」
「あぁ、聞くよ」
「女はね恋愛によって変わるの」
「うん??よく判らない??」
「女はね、うぅうん・・・私はね男に惚れると女優になるの」
「それで・・・」
「好きな男が惚れたくなるような女になる演技をするの・・・勿論、客はその男一人でいいの」
「うん、由美はオレが惚れたくなるような好い女だよ。女優の由美じゃなく素の由美を愛してる」
「ありがとう。ずるい男はね言葉で女を騙して傷つける、ひどい男は女を騙さないで傷つける、例えば暴力で・・・貴男は女に暴力を振るうような男じゃない。さっき言ったけど、守れない約束はしないで欲しいし、期待だけをさせないで欲しいの・・・勿論、喜ばせようと嘘は言わないで欲しい・・・」
「判った。ずるい男と思われないようにするよ・・・大好きだよ・・・」
「無理しないでいいからね・・・本当に好きな男なら、一緒にいるだけで女は幸せを感じるんだから」

「目をつぶって・・・」
オレの目を閉じさせた由美は閉じた瞼にそっと唇を合わせる。
「くすぐったい・・・」
オレは由美の髪に手を伸ばし、そっと撫でる。
顎を上げ、眼を閉じる由美を抱き寄せ唇を重ねる。
頬を撫でたり互いの指を絡ませたり触れ合って、身体だけではなく心も重なる時を待つ。息が荒くなるまでキスを続ける。

「食事に行く??・・・その前に、頭は貴男を許したけど身体が許したどうか試してみない??」
「ここで??・・・」
「触ってみて・・・ねっ、ホテルまで我慢出来ない。ここで抱いて」

手をつないだまま立ち上がった由美のスカートを捲り上げてショーツを脱がせ、オレはズボンと下着を膝下まで下ろし、スツールに座ったまま腿を跨がせる。
背中に回した両手で由美の身体を支え、由美はオレのペニスを優しく握り熱い蜜壺に誘導する。
ウッ、眉間に皺を寄せた由美の顔は次第に優しくなり、愉悦の声を洩らし始める。
「アンッ、アンッアァァ~・・・いいの、くる、奥までくるっ・・・」
「由美は心だけじゃなく、身体も許してくれたようだね・・・」
「分かってるくせに・・・余計な事は言わないで、気持ち良くして・・・貴男の事を忘れられなくなるほど可愛がって・・・」
スツールに座り対面座位で結ばれたオレは由美の背中を支え、由美の両手はオレの首を巻く。

オレは背中の両手を由美の腿に移し、腿を持ち上げるようにしながら突き上げる。
首に回した手で身体を支える由美は髪を振り乱し、身体を上下しながら真っ赤に染まった目で瞳の奥にあるオレの心を覗き込む。
「いいの、気持ちいいの・・・逝ってもいぃ・・・イックゥゥ~」
背中を仰け反らせ歓喜の表情を露にする由美にあわせ、オレは蜜壺の奥に熱い男汁を吐き出す。

由美の顔に掛かる髪を取り除くと、頬をじんわり涙が濡らす。首を支え滲む涙を舌で拭いとるとオレの胸に顔を押し付け、静かに肩を震わせる。
そのまま髪を撫で続けると泣き笑いの顔で見上げ、好きっ・・・オレの胸が熱くなる。
オレは言葉もなく再び由美の身体を胸に包み込む。


                          <<おしまい>>

おとぎ話

歳の差-1

「雨が降ってきたし今のお客様で最後のようね・・・閉めちゃおうか、アキちゃん」
アキちゃんと呼ばれた女は、はい、と答え看板の灯を落として店内を片付ける。
「片付いたね。アキちゃん、上がっていいよ」
「はい、ママ。お先に失礼します」
「お疲れさま・・・途中まで送ろうか??」
「そんな事をしたらママに叱られます。柏木さん、ママをお願いしします・・・おやすみなさい」

「やっぱり若い子の方が良い??」
「妬いてくれるの??」
「嫉妬なんて言葉は忘れちゃったわよ・・・アキちゃんだけではなく、お客様の中にも私とあなたに何かあると思っている人もいるし・・・」
「客は皆、ママを口説こうと思っているんだろう??」
「今はいないよ・・・あなたの事を遠まわしに聞くお客様はいるけどね」
「ママは好い女だからな、チャンスがあれば口説きたいと思っている客が多いだろう・・・」
「誤魔化さないで・・・一度抱けば満足できる、私はその程度の女なの??・・・」
「ごめん・・・男は歳を重ねると臆病になる・・・」
「女は待ちくたびれると萎れてしまう」
「ママは、まだまだ若いよ」
「いつの間にか歳をとって、今年で大台・・・30台の仲間入りだよ」
「そうか、オレより15も若いんだ・・・眩しいよ」
「私はね15位、年上の人が好いな・・・」
「苛めないでくれよ」
「分った、もう終わり・・・仕事も終わった事だし、隣に座っても良い??」

「私にも水割りを作ってくれる・・・薄いのが好ぃ、なんか疲れちゃったな・・・いつまでこの店を続けられるかなぁ??」
「薄めの水割り・・・乾杯しようか。ママの美しさに乾杯」
「クククッ、ありがとう・・・店を閉めたからママは止めて・・・」
「分かった、やり直すよ・・・希美に乾杯」

「なんか眠そう・・・眠いなら膝を貸すよ。膝枕で寝る男の髪を撫でるのが夢なの・・・眠くない??」
「予約が入ってるんだろう??どっちの膝が空いてるの??」
「予約??膝枕の??・・・薄情な男がいてね、予約を受けたはずなんだけど最近は姿を見せないの、だから両方空いてるよ」
「希美を相手にすっぽかすとは、バカな男がいるものだな・・・寝かせてもらおうかな」
「好いわよ、薄情な男さん。ここじゃ無理だからボックス席に移ろうよ」

「重くない??」
「大丈夫。ウフフッ・・・こうやって見てると案外と可愛いね」
「くすぐったいよ、そんなとこ撫でられたら・・・」
「えくぼが可愛い・・・じゃ、ここは??」
「男も髪を撫でられると気持ちいいんだよ」
「ウフフッ、髪を撫でられると気持ち良いんだ・・・他はどこが好いの??」
「・・・・・・・・・・・・・」
「嫌じゃなきゃ、毎日撫でたげようか・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「寝ちゃったの??・・・膝枕くらい全然重くない。女は覚悟を決めるとどんな重いものでも、一生背負う覚悟が出来るんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「いつまで待っても、希美に対する雅之の気持ちは変わらないのかな??」
「男は大切だと思うほど背負うには覚悟がいるんだよ」
「えっ、聞いてたの??恥しい・・・」

「希美のすべてを見たい・・・見せてくれるね??」
「今??・・・ここで、すべてを??・・・分かった、いいよ。見せてあげる。水割りを飲む雅之に私のストリップショーを見せて上げる」
雅之を席に残して希美は立ち上がる。

黒のスカートスーツはミニ丈でムッチリの腿は健康的な色気を感じさせ、整った膝からすっと伸びた脹脛を経て足首に続くラインは若い女性らしい颯爽とした雰囲気を醸し出す。
「きれいだ・・・若いよな」
男は誰に聞かせるでもなく独り言ちる。
「品評会の出品物を見るような目で見ないでよ・・・それにもう若くはないよ。アキちゃんを見てると、つくづくそう思うよ」
「そうか、じゃぁ言い直そう・・・希美は上手に年を重ねて来たんだと思うよ。素晴らしく楽しい日々を過ごしてきたんだろうな・・・」
「・・・ウン、今まではね。最近、出会った男が薄情な男で・・・あっ、こんな事を言うつもりはないのに・・・ごめんね・・・脱がなきゃダメ??」
「見たい。希美のすべてを見せてくれるね??」
「ハァハァッ、恥ずかしい・・・いつだったか、姿勢が良いって後姿を褒めてくれたでしょう??後ろ向きでも良い??」
「いいよ・・・」

おとぎ話

歳の差-2

男に背中を向けた希美は、ただ一度抱かれた日の事を思い出していた。
「オレは上手じゃないけど、希美は箸の使い方が美しいね。美味そうに食べてるって思うし、何よりご両親に大切に育てられたんだなって思うよ」
「うん、姿勢よく箸遣いも美しいのは同席する人も食事が楽しくなるって育てられた。食事は楽しくあるべきだって言う家風だったから」
「そう、姿勢も良いよな・・・顔ほどに気にすることがない後姿が好いよ。前は意識して変える事も出来るけど、後ろ姿ってのは、なかなか気が回らないのに背筋がピンと伸びて、膝を曲げることなく颯爽と歩く・・・すれ違う人たちが希美を見るのは単にきれいだからって事だけじゃないよ。見た目も雰囲気も美人・・・好い女だよ、希美は」

男の言葉を思いだしながら背筋を伸ばし、尻に意識を置いて腰の位置を高くして立っていた。
「笑わないでよ、恥ずかしいんだから・・・そうだ、シューズを履き替えなきゃ・・・雅之に見せようと思ってピンヒールシューズを持ってきているの」
仕事用のローヒールパンプスをピンヒールに履き替えると、黒のテーラードスーツを着ている事もあり姿勢の良い希美を一層格好良く見せる。
ソフトな生地で仕立てられているのでデザインの堅い印象が薄れ、女性らしい柔らさも演出している。
上着に続いて、恥ずかしがる様子もなくスカートを脱いだところで肩越しに振り返る。
ゴクッ・・・ゾクッとするような色気に、男は唾を飲む。
上半身にはオフホワイトのホルターネックキャミソールが残り、適度な脂肪をのせた下腹部や、ムッチリとした腰から腿のラインは、黒いガーターベルトに吊られたバックシームストッキングと真っ赤な紐パンが飾り、振るい付きたくなる欲望を、宙を睨んで我慢する。
「ウフフッ・・・どうしたの??顔を赤くして、水割りが濃すぎたの??」
自分の容姿と衣装が男を満足させている事を知る希美は余裕の言葉で男をからかう。
「たまんないよ・・・15歳の年の差なんて吹っ飛んじゃったよ」
「クククッ・・・雅之が来るって言うから、とびっきりの演出をしたの・・・参った??誰にも渡したくないって思ってる??」
「まだまだ、希美の魅力はこんなもんじゃないだろう・・・最後まで見せてくれるだろう??」
「好いわよ、鼻血を出しても知らないから・・・ホルターネックの結び目を解いてくれる??」

男は立ち上がって希美の背後に立ち、ホルターネックの結び目に指を掛けて首筋に息を吹きかける。
「アンッ、いたずらしちゃダメ・・・お楽しみは、まだだよ。座って見ていて・・・」
男はボックス席に戻り、希美の後ろ姿に魅せられる。
キャミソールを脱いだ希美は両手で胸を抱えて男の正面に立つ。
「見たい??・・・私をただ一度抱いたのは半年前だから忘れちゃったでしょう??」
「忘れるわけがないだろう。臆病なだけだよ・・・夢の中を素っ裸の希美が歩いてるんだよ、それも毎晩だよ・・・忘れるわけがない」
「ほんとう??・・・声を掛けてくれれば、ホテルでも雅之の家にでも何処へでも行って、本物を見せてあげたのに・・・」

「明日は店も休みだろう??・・・今から、どっかに行こうか??」
「今から??・・・酒を飲んでるから車には乗れないし、電車も飛行機も動いてない。どこかに連れて行ってくれるなら、朝になってからでいいよ・・・」
「よし、そうしよう。どこが好い、行きたいところがある??」
「南の方角がいい。私が生まれた所はね、冬になると海が蒼い色になるんだよ・・・冬じゃないけど南の海を見たい、青い海を・・・だめ??」
「ダメなものか、南の海を見に行こう・・・朝になったら」

「明日の夜はホテルの部屋で青い海を見ながら抱いてもらう・・・約束だよ。メインディッシュは明日に取っといて、今はアペタイザーを召し上がれ」
「それには手をどけてもらわないと・・・どけないと罰があるよ」
「どんな罰??受けたいかも・・・痛い事はしないでしょう??」

クククッ・・・真っ赤なショーツの結ぶ目を解くと希美は乳房を隠していた手で押さえる。片手で乳房を覆い、片手で解かれた紐パンを支える。
「ウフフッ・・・こっちも外したらどうする??」
男は反対側の結び目を解いてしまう。
キャァ~・・・叫び声と共に慌てた希美は乳房を隠していた手でショーツの股間部分を押さえ、一瞬見えた恥毛を男の目に留めないようにする。
「オマンコを見せるのは嫌だけど、オッパイなら見せてくれるんだね・・・半年前に見たオッパイだ、懐かしいよ・・・手をどけなさい」
結び目を解かれ、希美の手で支えられていた真っ赤なショーツがハラリと足元に落ちる。
股間の陰りは薄く、ピンクの秘所は淫靡な興奮で綻び、朝露に濡れたような花弁を微かに覗かせる。
白い肌は赤らみ、黒いガーターベルトとバックシームストッキングが包む両足は震えを帯びる。

おとぎ話

歳の差-3

男は剥き出しになった股間を無視して後ろを向かせる。
「両手を後ろに回して・・・そう、両手を揃えるんだよ。縛っちゃうからね」
両手の親指を合わせてショーツで縛ってしまう。
「紐パンは好いな。縛りやすくて・・・指を縛るだけで両手は自由にならないだろう??」
「いやんっ、興奮する・・・触ってみて、ドキドキしてる」
黒いガーターベルトに吊られたストッキングのバックシームがムッチリとした腿に続く伸びやかな膝下を美しく見せ、それに見惚れていた男は希美の言葉で我に返る。
「どれ・・・本当だ、すごいね。胸が破裂しそうじゃないか・・・もう少し興奮させてあげようか」
キャミソールを拾い上げた男は希美の視覚を奪うために目を覆う。
「あんっ、アァッ~ン、何も見えない。ホルターネックだから縛りやすいの??目隠しされるためじゃなかったのに・・・」
「そうか??もしかすると、何かの予感があって紐パンとホルターネックキャミソールを着けたんだろう??」
「嫌な事を言うね・・・怖い事はしないでね・・・ダメッ、想像するだけでドキドキする、立っているのが辛い・・・」

目隠しをされガーターベルトで吊ったストッキングとシューズだけを身に着けて立ち尽くす希美は、両手を背中で縛られているために乳房や股間を隠す事も出来ず、両足は震えて立っている事がやっとになり声を震わせる。
「だめっ、限界・・・座らせて・・・お願いだから」
「いつもの希美のように背筋を伸ばして颯爽とした姿勢で立ってごらん。オレを楽しませてくれるためのガーターベルトとストッキングなんだろう??」

顔を上げ精一杯背筋を伸ばして立つ希美の周囲を男は歩く。
キャミソールの目隠しで視覚を奪われているため、聴覚など僅かな気配で雅之の位置を探ろうとする希美は神経を研ぎ澄ませる。
希美の様子に口元を緩めた男は、指先で肩口をつつく。
ウッ、イヤンッ・・・悲鳴にも似た声を上げて雅之を追いかけようと片足を踏み出したのを見て、乳房の先端に指を伸ばす。
「アァ~ン、意地悪・・・」
その後も男の指先は背中を撫でて唇をなぞり、下腹部を横に刷く。
視覚を奪われて何をされるか分からないまま予期せぬ指の刺激を受け続ける希美は、その場に崩れ落ちてしまう。

ピシッ・・・男は目の前で蹲る希美の白くて丸みを帯びた尻を打つ。
「クゥ~、いった~い・・・痛くしちゃ嫌だ。嫌いになるよ」
「そうか、嫌いになるか・・・それは困るな」
男は希美の肩を抱くようにして立ち上がらせ、唇を重ねる。
クチュクチュ、ブチュブチュ・・・ハァハァッ・・・
「可愛いよ・・・何度でも言うよ、希美は好い女だ。動いちゃダメ、背中で縛った指を自由にするから・・・」
「良いよ、もうしばらくこのままでも・・・雅之がしたいなら我慢する。朝になれば青い海に連れて行ってくれるんだし、我慢できるよ・・・」
「うん、オレのために我慢してくれるのか??借りが出来たね」
「えっ・・・ウソ、嘘だよ。しばらくこのままが好い・・・指を縛られただけなのに自由を奪われて、その上視覚も奪われちゃった・・・私は雅之の操るままにしか動けない。私はあなたのモノ・・・ゾクゾクするほど嬉しいし、経験したことがないほどドキドキしてる」

男は希美を抱き上げて後ろ向きに膝を跨がせる。
ウッ、ウググッ・・・背中越しに抱き寄せて股間に手を伸ばすと粘り気のある蜜が指に絡み、希美は喘ぎ声を漏らすまいと唇を噛む。
「どうした、これは??指が火傷しそうなほど熱いぞ」
男の囁き声が耳の縁を愛撫する。
視覚と手の自由を奪われただけで、これほど敏感になるのかと思うほど身体のどこに触れられても性的な反応をしてしまう。

股間の滑りを感じた指が新たな刺激を与えてくれると期待していたが、恥丘を撫でて恥毛を指に絡ませて戯れた後は上半身へと向かってしまい、詩織の下半身は名残り惜しそうにウネウネと蠢いてしまう。
男は希美の上半身を包み込むように抱きしめて首筋に舌を這わせ、髪の生え際に息を吹きかける。
「アンッ、イヤッ・・・女の人には、いつもこんな風にするの??」
「何言ってんだよ。毎日、希美がオレの夢に出てきてハダカンボで歩き回っているんだよ・・・他の女性に現を抜かす暇もないよ」
「信じる事にする・・・もっと、やって・・・もっと、私の身体で遊んで欲しい・・・アァ~ン、熱い、身体が熱いの」
「可愛い事を言うね・・・待ってなさい」
男は膝から希美を下ろしてカウンターに向かう。
目隠しをされて視覚を奪われている希美は男の行動を聴覚で探ろうとして耳を澄ませる。
ガチャガチャ・・・カウンターに入った男は何やら音を立てて探し物をする。目的の品物が見つかったのかボックス席に戻り、希美を抱え上げてテーブルに座らせる。