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おとぎ話

ピロートーク

「乗っかっても重くない??大丈夫??」
「彩の重さを感じるこの格好は好きだよ。誰にも邪魔される事なく一人占めに出来るんだからね」
「ウフフッ、本当に彩の事が好きなんだ・・・ねぇ、どれくらい好きか教えてくれる??」
「う~ん、そうだな・・・美ヶ原高原で見る星の数ほど好きだよ。どこまでも遮るものがなく広がる満天の星。空いっぱいに散りばめた星たちは一つ一つがきらびやかな宝石・・・それはすべてオレから彩へのプレゼント。誕生日が近いんだろう??」
「うん、憶えていてくれたんだ。ありがとう・・・彩はね、湘南海岸・・・やめとく、伊豆半島の海岸にある砂粒の数ほどあなたの事が好き」
「伊豆半島の白い砂にしてくれたの??・・・それとも、湘南の砂は誰かに取っとくの??」
「いじわる・・・きれいな白い砂にしてあげたの、彩の心と同じ真っ白で清らかな・・・納得した??」
仰向けに寝る男の身体に重なるように乗った彩は、身体を支える事もせずに全体重を預ける。小柄な彩を苦も無く支える男は苦しそうな素振りも見せず、眩しそうに目を細めて髪を撫でる。

「ウフフッ、好きな男に髪を撫でられると気持ちいぃ。抱かれている時もいいけど、終わった後の気だるさの中で優しくされると愛されているんだなって思えて胸が熱くなる」
オレも同じ思いだよと、言葉をつないだ男は身体に乗る彩の背中や脇腹、お尻を撫でながら唇を突き出す。
「くすぐったい・・そんなとこ・・・」
「じゃ、ここは・・・」
「クククッ・・・大好きだよ。だからくすぐらないで・・・クククッ、だめっ」
「オレも大好き・・・彩のいない生活は考えられない」
「キスしたいの??口を尖らせて・・・お願いしなきゃダメッ、させてあげない」
「愛する彩の唇に挨拶をしたい」
「あぁ~ン・・・もっと、言って」
「彩の唇も身体もオレだけのもの」
「ほんとに??・・・嬉しい」
「彩はほんとに可愛い」
「ウフフッ・・・ねぇ、何かお話を聞かせて・・・」

男は身体から下ろして仰向けに寝かせた彩の方を向き添い寝する。
「この青いシーツは海。オレは大海原を1人漂流している」
「うんうん。それで、どうなっちゃうの??」
「泳ぎ疲れて諦めの心境になりかかった頃、遠くに島影が見える。幻影なのか、本当の島なのか分からないけど白い砂浜が広がる島を目指して必死に泳ぐ」
「頑張ってね」
「ようやく、島に辿り着いたもののがっかりするような景色があった。砂浜こそが幻影で白く見えたのは、そそり立つ白い岩肌だった・・・泳いできた海を振り返ると、サメの背びれが波を蹴立ててオレに向かってくる」
「大変だ・・・サメをやっつけて、フカヒレにして売っちゃう??」
「それも考えたけど、ピノキオのように飲み込まれると彩に会えなくなる。そこでオレは必死に崖をよじ登る」
「ガンバレ・ガンバレ、サメの餌にならないでよ・・・彩は帰りを待ってるからね」

「ようやく険しい崖をよじ登ったオレは岬の先端に立って、島の名前を彩島と命名した。岬は指のように5コに分かれている」
「くすぐったい・・・足の指をくすぐらないでよ」
「あのね、暫く黙ってくれる」
「アヤアヤサー・・・」
「くくくっ、オヤジ以下のオバサンギャグだ」
「フフフッ、続きは・・・」
「喉が渇いたオレは水を求めて歩き始める」

立てた人さし指と中指を自分に見立てて彩の足を指から膝へ、その先へと水を求めて歩き続ける。
「草1本生えていない白い島肌の美しさに見惚れていたオレは不注意から海へ・・・ドボーン」
「あ~ぁ、せっかく彩島に辿り着いたのに・・・」
「必死に泳ぐ・・・今は水が枯れているが滝のような処へ泳ぎ着く。記憶の底にある何か懐かしい景色を見ながら登り始める」
「いやぁ~ん、そんなとこ・・・クチュクチュされると・・・」
「滝壺を覗きこむ・・・先程まで満々と水を湛えていたはずなのに・・・」
「アァ~ん・・気持ち良くなっちゃう」
「諦めきれず岩肌を探っていると、何処からともなく芳しい香りの水が滲み出てくる。その甘く芳しい水で咽喉を潤して休憩する」
「ウッ、ウゥ~・・もっとぉ・・・」
「休憩を終えたオレは複雑な岩肌に足を掛け、手で岩を掴んで登り始める・・・ヨイショ、ヨイショ・・」
「イヤァ~・・上手よ、気持ちいぃ・・」
「途中の岩の出っ張りに苦労する・・・オーバーハングっていうのかな??」
「クリトリスにそんな事・・・気持ち良くなっちゃうよぉ」
「やっとの思いで登りきったオレの前には草原が広がっている。やっと芽生えたばかりのような緑の草がそこかしこに生えている・・・草の匂いに気を惹かれ乍らもオレは先を急ぐ・・・」
「それもいぃ、恥毛をツンツンされるのも気持ち良いよ・・・もう一度したくなっちゃう」
「ようやく草原を抜け出ると目の前に広がる広野。ツルツルの草も生えていない広野。オレは大地を転げまわる・・・」
「くすぐったい・・」
「コロコロ・・・コロコロ・・・あっ、湖の跡なのか窪みに転がり落ちてしまう」
「よく落ちるね・・・あっ、お臍を弄らないでくれる。お腹が痛くなっちゃうから・・」
「窪みを這い出たオレが遠くを見ると真っ白な山が二つある。あの山に登れば助けを求められるかも・・・勇気百倍、歩き始める」
2本の指は臍から乳房に向かい歩き続ける。

「辿り着いた白いツルツル山。登るには手掛かりがなさすぎる。裾野を歩き登る場所を探す・・・反対側になだらかで登りやすそうな場所を見つけた・・・目印を付けておこう。アラッ、ペンもなければ何も持っていない手ぶら。腰にもブラブラする物を持っているけどね」
「しばらく役立たずのくせに・・・」
「あれっ、傷つくなぁ・・・そうだ、目印を付けるには・・・」
「ふふふっ・・・キスマークが目印かぁ。しっかり付けといたほうが良いよ」
「数日は消えるはずがない目印を付けたオレは、迷子の心配もなくなり頂上を目指す」
「後であなたにも目印を付けようかな、彩が迷子にならないように・・・」
「なだらかな山を登り頂上に着いたオレを迎えてくれたのは天辺に聳える桃色の岩。思わず頬ずりし、漂流するオレを迎えてくれた彩島に感謝のキスをする・・・」
「うっううぅ~・・気持ちいぃ・・・」
「見渡す限りの大海原、助けを呼ぶ相手はいそうもない。もう1つの山にも同様の挨拶を済ませ、なおも先へ進む」
「助けてくれる人はいないのか・・・」
「行き着いた先に迎えるものは断崖絶壁」
「首から顎じゃしょうがないね、どうすんの??」
「横へ回り込むと何本ものツタがある。そのツタを頼りに登る」
「痛い、髪の毛を引っ張ると痛いよ。あっ、でも助かるためだから我慢する」
「登りきったオレはあちこちに足を取られながら歩き続ける・・・」
「いやぁん、耳を弄ると気持ちいいよ・・・そこは目。うっ、鼻を弄んないでよ・・」
「目的地に辿り着いたオレはようやくキスをする・・・」

「キスしたいの??・・・よく頑張ったからしても良いよ」
「オレは愛する彩の唇に挨拶をする」
「あぁ~・・・もっと、言って」
「彩の唇も身体も、勿論、心もオレだけのもの」
「ほんとに??・・・嬉しい。迷子にならないようにギュッと抱きしめて・・・」
「彩は、ほんとに可愛いよ・・・チョイと早いけど、誕生日おめでとう」

                      <<おしまい>>
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