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偽者 ~PRETENDER~ -19

三者三様

先日、二人で泊まったホテルのラウンジで待ち合わせた内藤を前にして美香は頬を赤らめる。
「このホテルの想い出は生々しい。ロビーに入った途端、キュンとなっちゃった」
「そんな事を言うと思いだしちゃうな。フロントボタンを毟り取って美香ちゃんの秘密の部分を皆に見せたくなっちゃうよ。これはオレのモノだぞ、おめぇらは見るだけで我慢しろって……クククッ」
「えっ、うそ。男の人ってそんな事を考えるの??それとも、内藤さんがとびっきりのスケベだからなの??」
口を尖らせて隣席に聞こえないように抗議する美香はデニムミニスカートのフロントボタンを押さえ、ゆったりニットの胸元に手をやって頬を緩める。
「他の男はどうか知らないけど、オレはスケベでエッチだよ、美香ちゃんと一緒だとエロさは倍増するな、知らなかったの??」
「あ~あ、内藤さんがそんな人だと分かっていたら誘われても拒否したのになぁ……私はまだまだ男性を見る目がないなぁ」
言い終えた美香はグリーンティラテのグラスを手に取りストローを口にして上目遣いに内藤を見る。

そんな美香を無視した内藤は、
「帰りにキャップを買おうか??」
「えっ、キャップ??どうして??」
「ポニーテールをキャップアジャスターからピョンと出しているのが好きなんだよ、可愛いなって……今日のデニムスカートにニット、似合うと思うけどなぁ」
「いいよ、内藤さん色に染まってあげる」
美香の顔に喜色が浮かび、ズズズッと下品な音を立ててグリーンティラテを啜り、約束だよ、キャップを買ってもらうんだからねと、小指を立てて右手を突き出す。
内藤も手を伸ばして小指を絡ませると
〽指切りげんまん……周囲を気にする様子もなく歌い始める。
声に出さずとも見つめる内藤の視線に優しさと好意を感じて歌声が弾む。

グリーンティラテを飲み干して時刻を確認した内藤は、美香を促して佐緒里の家に向かう。
「私が住んでいるのは駅を挟んで向こう側、こっちはお店とデパートやちょっとした買い物をする時だけで、それも駅周辺だけ。この辺りまで来るのは初めてだから新鮮な気持ちになる」
内藤の跡をつけて佐緒里の家も知っていることは胸に収めて口にはしない。

「着いたよ。さおりさんが住んでいるのは、このマンションだよ」
「なにか、ドキドキする」
エントランスを前にして美香は内藤の上着の裾を握り、わずかに声を震わせる。
ピンポ~ン……「いらっしゃい」、「こんにちは、お邪魔します」

佐緒里の勧めに応じてテーブルに着くと、予想外の料理で歓待される。
鶏肉とエリンギの炒め物に始まり次々と美味い和食が供される。
「美味しい……さおりさんが手料理を振舞ってくれると聞いて、フランス料理のような気がしたので作法を勉強したけど和食とは意外でした」
「あらっ、美香ちゃんをがっかりさせちゃった??」
「ごめんなさい。決してそんな積りではなく、ナンバーを張る人は容姿や話術だけではなく目に見えない教養や魅力を備えていると感心しています」
「本当だね、予想もしないさおりさんの魅力に驚かされるよ。美香ちゃんも佐緒里さんのようになれるといいね」

内藤が暇乞いしてからの佐緒里と両親の会話の一部を交えての三人の語らいは楽しく、食事を一段と美味く感じさせる。
美味しい食事は三人の気持ちを解し、互いの関係を一層接近させるものの想いは必ずしも一致するものではなく、妖しく絡み合う。

「ごちそうさまでした。本当に美味しかったです」
「お世辞でもお口に合ったと言われて嬉しいわ、ありがとう……デザートを用意するからソファに移ってくれる??」
全ての器をきれいに食べ尽くしてキッチンに運ぶと、片付けはまとめて後ですることにしてソファで待てと言う佐緒里の言葉に従う。

「この一週間は私がこれまで生きてきた時間の中で一番濃密かもしれない……エッチでスケベな内藤さんに犯されちゃったし、さおりさんの魅力を再認識して私の目標が一層遠くなっちゃった」
「オレがエッチでスケベだって??それじゃ、こんな事をしなきゃいけないな。期待に添わないと申し訳ないし、美香ちゃんに嫌われたくないからな」
身体を接して座る美香の肩を抱き寄せて唇を合わせると、わずかしか動かない身体を捩ってキッチンに視線を走らせ、佐緒里に見えないことを確かめて背徳感の昂奮もあって大胆に応じる。
ジュルジュル、チュ~……唇を合わせるだけではなく舌を絡ませて激しく貪りあい、内藤の手がニット越しに乳房を揉むとアッと眼を見開いて両足を閉じる。

デザートの準備をしてくれている音と気配を気にしながらも内藤の卑猥な行為を拒否できない美香は、さおりの部屋だという背徳感で股間を濡らす。
そんな美香のスカートの裾に内藤の手が伸びた瞬間を待っていたかのように佐緒里が姿を現す。
「えっ、アッ、ごめんなさい。邪魔するつもりはないけど、折角だから冷たいうちに召し上がれ」
「ごめんなさい、ごめんなさい、決して、そんな……ごめんなさい」
「美香ちゃんは悪くないよ、ごめん。美味しい食事をごちそうになって気が緩んでしまった、申し訳ない。佐緒里さん、不愉快な思いをさせたようで申し訳ありません」
「えっ、不愉快だなんて、勘違いしないで。そんな事は思ってないから。内藤さんと美香ちゃんがそんな関係だと知らずに、二人の貴重な時間を邪魔するようなことになって、ごめんなさい……それより、冷たいうちに、ねっ」

気まずい雰囲気の中で食べるワインゼリーも美味しく、バラバラになりかけていた三人のキモチが近寄っていく。
「ごちそうさまでした」
「本当に美味しかった??……二人に喜んでもらえて嬉しい。両親の勧める見合いの件では二人に本当にお世話になりました。感謝しています」

後片付けが終わる頃には気まずい雰囲気は跡形もなく消え去り、ソファに佐緒里と美香が並んで座り、美女二人を見る位置で内藤はよく冷えた白ワインで喉を潤し芳醇な香りを味わう。

「美香ちゃんの肌ってきれいだよね、バツイチの私には若さが羨ましい……」
話し終えた佐緒里はアルコールの勢いを借りるようにしてニットの裾から手を入れ、美香の肌をまさぐり始める。
美香は突然の成り行きに驚きながらも内藤の視線を避けるかのように目を閉じて、抵抗する様子もない。
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
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夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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