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キャバ嬢

すれ違い

「華ちゃん、明日は土曜日で休みだからドライブしない??店が始まるまでに帰るし、同伴しても良いから。俺さぁ、華ちゃんに似合う車を買ったんだよね」
「ほんとですかぁ、華、うれしぃ・・・アッ、ごめんなさい。明日はね両親が来るんだ。華の事を信用してないのか、時々、様子を見に来るんだよね・・・太田さんと居ると楽しいから忘れるところだったァ・・・ゴメンネ」
「そっか、ご両親が来るんじゃしょうがないね。また今度ね・・・ご両親はこの仕事のことを知っているの??」
「教えてないの・・・東京は物価が高いから仕送りだけじゃ大学に通えないなんて言えないもん・・・私や弟のために苦労しているのを知っているからね」
「えらい。華ちゃんは浮ついたところがないから偉いよ。キャバ嬢ってなんかフワフワしてるように思うけど華ちゃんに限ってそんな事はないもんな」

「なに笑ってるの??」
「懐かしい会話だなぁって思ってさ」
「振り返って確かめるのは悪趣味だよ。よしなさいよ」
「ごめん、どんな男か気になってね」
「あの人の席にヘルプで付いたことがあるんだけど・・・普通に良い人なんだけどね」
「恋は盲目、華ちゃんの言う事は何でも正しいんだろうね。夢を求めて通う好い男の子」
「ウフフッ、柏木さんにもあんな時代があった??」
「現実に気付いた時に単に騙されたと思うか、女性も苦労してるんだなぁと思えるかであの男の値打ちが決まるんだろうな」
「柏木さんは後者??それとも前者だったの??」
「オレは弥生のような人と会えたから女性を信じ続けることが出来たよ」
「クククッ・・・私のすべてが演技かもよ。どうする??」
「弥生のすべてが演技で、今も騙されてるんなら最後まで騙し続けてくれるかな」
「そんな事・・・私には柏木さんに対して余裕が無いことを知ってるのに・・・」
「弥生と居る今の時間は本気だよ、それ以上は言えない・・・ごめんね」

「おかわり作る??」
「うん、もう少し濃くしてくれる」
「柏木さんの時間全てを欲しいなんて思わなきゃ関係はいつまでも続くんだよね」
「弥生だけしかいないって、そんな嘘は言えないからね」
「奥さん意外にも付き合ってる人は居るの??」
「いないよ」
「奥さんの次に好きだって言ってくれると嬉しいな・・・」
「困らせるなよ。オレが弥生に与えられるものは経験しかない。大切な人だと口にすれば弥生に負担をかけてしまう」
「どういう事??」
「オレが弥生を大切な人だと宣言すれば、それが弥生の負担になる。オレには帰る家がある、全ての時間を弥生に費やすことは出来ない。弥生は優しいから全ての時間を遣ってオレのために尽くしてくれるんじゃないかと思ってしまう。オレの思い上がりならいいんだけどね」
「それでも良いじゃない。私がそうするって言うなら・・・」
「遊びの相手としてはつまんないかな、オレは・・・」
「うぅうん、遊び相手としては理想的だと思うよ。束縛されることもないし・・・柏木さんの言う経験も私には新鮮なことが多いし・・・でもね、2人っきりの時は冗談でもいいから・・・せめて、好きって言いたいじゃない・・・愛してるって言えなくても」
「弥生の若さをオレは貰ってるんだよね。時間って言い換えてもいいけど、オレが弥生の大切なものを貰ってるんだよ」
「ズルイ言い方をする・・・それで言いくるめちゃうんだよね」
「弥生には幸せになって欲しいから」
「私の幸せが何処にあるのか気付いてないの??」

「弥生さん、お願いします」

「ごめん、指名が入ったみたいなの。待っててくれる??」
「いや、今日は帰るよ」
「明日は土曜日でしょ、いつものところで待っていてもいぃ??」
「明日は止めよう・・・明後日、日曜の夕方でどう??場所は同じで・・・」
「えっ・・・うんっ、ありがとう・・・お店は休みでも、わがままは言わないから・・・あなたが帰るって言えば、笑顔でバイバイするから・・・でも・・・」
「あぁ、いいよ。オヤスミの言葉に替えてキスをするよ・・・いつものようにね」
「うん、今は我慢する。一応はプロだからね、ほかのお客様の目もあるから・・・送れないけど、今日はありがとう・・・」
「うん。早くいかないと、指名客が首を長くし待ってるよ・・・」
「それじゃ、行くね・・・キスは日曜日にまとめてしてもらうから我慢する・・・」
「飲み過ぎんなよ・・・」


                                                         <<おしまい>>
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