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仲直り

仲直り -2

「ねぇ、今更だけど言い訳を聞いてくれる??」
意を決した女は乾いた唇を湿らせるためにコーヒーを飲んで居住まいを正し、男を見つめて口を開く。
男は女の様子にただならぬ気配を感じて通りを見つめていた視線を女に向ける。
「言い訳??言い訳なんだね??……何も言わなくていい。過ぎた時間を消すことはできないけど、やり直せないかな??オレは土曜日の事を後悔してる」
「ほんとう??あなたは反省するけど、後悔はしない人でしょう??後悔は過去の自分に対して失礼じゃなかったっけ??……ごめんなさい、浮かれていい場面じゃないのに……」
「オレはアユに嘘は言った事はないし、言うつもりもないよ。信じて欲しい」
「ウフフッ、アユって呼んでくれた。君って言われたときは涙が出そうになっちゃった……それより、本当なの??嘘は言わないって??」
「本当だよ……信じるか??」
「信じるけど……奥さんはいいの??」
「悪いけど、アユよりも妻を愛してる。ごめんな」
「クククッ、ウフフッ……フフフッ、信じられない。不倫相手には嘘でも優しい言葉をかけるんじゃないの??あっ、そうだ、奥さんに内緒だよって言われていたんだけど、教えてあげようか」
アユは男の言葉に腹を立てるどころか、臆面もなく妻を愛しているという言い方に笑いをこらえることが出来ずに屈託なく笑いだす。
BGMが静かに流れている店内にアユの笑い声が響き、他の客や店員が一斉に顔を向ける。
決して非難するような表情ではない事に安堵しつつ、首をすくめてあちこちに頭を下げて顔を赤らめる。

「クククッ、可愛いな……それより、なにか言ってたか??」
さきほどの事があるので声を潜めたアユは、
「あなたは困った時、詭弁を弄して誤魔化そうとするんだけど、それが可愛いって言っていたよ……ウサギと亀の話をするんでしょう??昼寝から起きたウサギは先を行くカメを追い越そうとして、今、カメのいる場所を目標にする。到着した時、カメは進んでる、ウサギは改めてその場所を目標にする。どんなに間隔が縮まってもウサギはカメを追い越せない。そんな風に世の中には勘違いがいっぱいあるんだよって言うんでしょう??」
「そうだよ、オレは詭弁で誤魔化すんだよ。アユも騙されてくれるか??」
「今回の事であなたが私にとってどれほど大切か分かったし、嘘って分かっても騙されちゃうのかなぁ」
「信じていいよ、オレは嘘を吐かない。詭弁を弄するけど嘘は吐かないって聞かなかった??」
「奥さんはあなたの事をスゴイ嘘吐きだって言ってたよ」
「あれか??5コ上の年齢をいずれ追い越すっていう話しだろ??今でも諦めちゃいないんだけど、なかなか難しいよ」
「クククッ、諦めてないんだ。ふ~ン、いまだ達成できていないだけで嘘じゃないんだ。分かった、私はあなたを信じる」
「よし、そうと決まったらホテルに行くよ。今日は休めないだろ??」
「ホテルもいいけど、私の家に行かない??同じ場所でやり直したい、忘れ物を受け取ってもらえる??……」
アユがテーブルに伸ばした手を開くと土曜日に男が部屋に残してきた鍵がある。


アユから受け取った忘れ物のカギでドアを開けた男は部屋に入るなり壁に押し付けて唇を重ねる。
「ウグッ、アフッ、フゥッ~……今日のあなたは激しい、ハァハァッ~、こんな風にしてほしかったの」
男は右手を上気したアユの頬に添え、喫茶店を出てから放すことなく繋いだままだった左手で髪を撫で、チュッと音を立てて額にキスをする。
「可愛いよ、アユ。ここで、ここからやり直そう」
「うん、話しはまた誤解につながるかもしれない、抱いて、あなたに抱かれたら何を聞いても信じられる」
「そうじゃない。オレはアユに嘘は言わない」
「そうだった、ごめんなさい」

髪を撫でていた左手で頭を抱きかかえるようにして引き寄せ、顔を髪に埋めて香りを吸いこむ。
息をするのも苦しくなるほど抱きしめられる幸せ。
あなたの体温を感じるし肌の匂いも感じる。
男の胸の逞しさはセクシー、あなたの胸の逞しさは私に優しさを感じさせてくれる。
あなたの優しさは、愛されていると感じさせてくれる。
あなたは私に愛の言葉を語らない。
あなたにとって一番大切なのは奥様。私に愛の言葉を語らないのは嘘を吐かない証。私を好きだと言ってくれる、愛しているとは言わない。
髪は女の命と言われる。あなたは髪の匂いで胸を満たして私を感じようとしてくれている。
私もあなたをもっと、もっと感じたい。

男の手からすり抜けるようにしてその場にしゃがみ込み、ベルトに指をかけて上目遣いに男を見つめる。
男はアユの額に掛かる髪を梳くようにして左右に分けて意味ありげに微笑む。
「エッチな女は嫌い??」
「オレと二人の時にエッチになるアユは好きだよ」
「お店のお客様に色っぽい私を見せるのは??」
「許さない」
「妬いてくれるの??ウフフッ、嬉しい」

ズボンと下着を引き下ろしたアユは剥き出しになったペニスに指を這わす。
両手の指先が膝から腿の付け根に向かって内腿を撫で上がり、俯いて萎んだままのペニスの先端に息を吹きかける。
「この子は私の事が嫌いなのかな??大きくなってくれない」
言葉とは違って指の動きは愛おしく思っていることを隠しようもなく、目元は優しさに満ちている。
ウッ……右手の手の平で陰嚢を支えてヤワヤワと蠢かし、男が気持ち良さに堪えかねて声を漏らすと爪の先が会陰部から尻の割れ目に沿って刷くようになぞる。
萎れていたペニスが鎌首をもたげるようにピクピク蠢き、アユの左手がシャツの裾から這い入って男の乳首を摘まむ。
「ウッ、クゥッ~……上手だよ、立っているのが辛い」
「ダメ、我慢しなさい……この子に会いたくて、店を閉めた後、独りで泣いていたんだから、あなたも我慢するの……」
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ちっち

Author:ちっち
オサシンのワンコは可愛い娘です

アッチイのは嫌
さむいのも嫌
雨ふりはもっと嫌・・・ワガママワンコです

夜は同じベッドで一緒に眠る娘です

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