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浮気 2-2

男は満足の証をアユの子宮にめがけて迸らせ、いったん昇り詰めて満足の証を甲高い喘ぎ声に込めたアユはその瞬間、白い喉を見せるほど上半身を仰け反らせて再び歓喜の声を漏らす。
「アッアッ、イイッ~・・・ウグッグッ、来るくるっ、イヤァ~ンッ・・・奥まで、子宮まで届く・・・すごい、熱いのが、いっぱい・・・気持ちいぃ」

じゃれ合うようにシャワーで汗を流した二人は下着の上に男物のシャツだけを身につけてジントニックで乾杯する。
「クククッ、ねぇ、聞いて」、「聞いてるよ、なぁ~に??」、「もう、私の事をバカにしてる」、「そんな事はないよ、ごめん・・・話を聞くよ、なに??」
「あっ、なんだっけ??・・・そうだ、あなたと二人っきりのときはジントニックを飲むでしょう。お店でも、お客様がどうぞって言うと・・・つい、ジントニックを頂きますって言いそうになる」
「酒の好みが変わっちゃまずいか・・・でも、今の話は嬉しいよ」
「今度、お客様に誘われた時、断るのに色々と言い訳するのは面倒だから私には好きな人がいますって言っちゃおうかな・・・」
男は困ったような表情を浮かべながらも笑みを絶やすことなくジントニックを口にする。

「私より年上だけどあなたの困った表情が可愛い。奥様がお店に来てくれた時に言っていたよ。愛しているし頼りになるけど、なにか可愛いって。そばにいるだけで楽しくなるって・・・その気持ちがよくわかる」
「褒めてもらっていると思ってもいいのかなぁ??」
「お会いしたのは一度きりだけど、あの奥様に愛されるあなたはスゴイと思うよ」
「うん??そうか・・・そうだよな。スゴイかどうかは分かんないけど」
「奥様がいる人と付き合うのは初めてだけど、不倫する男性って皆、あなたと同じなのかなぁ??・・・浮気は絶対にしないって言うのかなぁ??」
「いわゆる浮気って前提で話すけど、他の人は分からないけどオレは、しないって言うより出来ないなぁ・・・浮ついた気持ちで付き合えないから、いつも本気。本気は浮気じゃない、アユと一緒にいる時は本気、妻との時間も本気。頭もアソコも固くて融通が利かず、不器用な生き方しかできないからね・・・」
「フフフッ、まじめな顔でそれを言うのがスゴイ。言葉遊びじゃなく信じているんだよね、あなたは。話す本人が信じていれば、それは真実になる・・・そうでしょう??」

寄り添う男の横顔を見ながら身体が芯から温かくなり、3カ月ほど前のあの日を思い出す。
開店早々のアユの店に奥様が来店し、男との馴れ初めや店の事などを話して帰った。
泥棒猫のような真似をするなと怒られる覚悟をしたものの男との恋愛について愚痴や止めろとは一切口にせず、亭主は人間関係を大切にして生きる人だから貴女のような好い人との付き合いを邪魔しないと言ってくれた。
雨の日に奥様が運転する車で何度か送迎してもらえば何かあると思うだろうし、平気で送迎してもらう男も男だし、奥様の気持ちは私に分かるはずもない。

奥様が経営していた店に通っていた学生だった男と、ある事を切っ掛けにして付き合いが始まり子供を宿したので結婚したらしい。
年上で水商売の女性と学生、男の両親はすぐさま賛意を示さなかったが妹の「私はずっと、お姉さんを欲しいと思っていた」という一言で座が和み、いくつか条件を出されたものの結婚を承諾してくれて、それ以降は実の親子のように優しく接してくれていると奥様は言う。
そんな事もあってなのか、
「オレにとって一番大切な人は妻。もしもアユと先に会っていたら、アユが一番大切な人になっていたかも分らないけどね」

美味そうにジントニックを飲む男を愛している。
この人にとって一番大切なのは奥様。
奥様との時間を邪魔することなく、二人で過ごす時間を大切にする。
結婚していると聞いていたし奥様が一番大切だとも言っていたので、今の関係が進展することを考えたことも望んだこともない。
いつだったか、奥様と私、どっちが大切かと聞いたことがある。今が大切、今はアユと一緒にいるからアユが大切と言うので、じゃぁ、家に帰れば私よりも奥様が大切なのと聞いたら、もちろんそうだよ。アユの事は忘れて妻が一番と当たり前のように言われて思わず吹き出してしまった。
奥様と話した時、私以前にも女性と付き合うことが何度かあったと聞いたので、関係がこじれる事はなかったのですかと尋ねると、一度だけ、こじれそうになった事があったけど、それ以外はいつの間にか振られて円満に解消したみたいと意に介する様子もなかった。
のどかにジントニックを口に運ぶ男に、「私以外の女性とも付き合ったことがあるんでしょう??最後はどんな別れ方をしたの??」と聞いたら、
「大抵は、オレよりも好きな人が出来たとか、地元に帰って結婚を考えるとか見事に振られることが多いな」と笑っていた。
執着しないから円満に関係を解消できるのだろうが、私にもそんな時がくるのだろうかと不安に思う。
奥様が二人の関係を知っているので私が嫉妬することはない。嫉妬を露わにしたときは隣に座る男から別れ話を切り出されるだろうと思う。

美味しそうにジントニックを飲む男の横顔を見ていると想い出が走馬灯のように甦り、この人を相手に今日のわがままを言えるけど将来の夢は心の奥に押し込めるしかないと改めて思う。
今日は意地悪なわがままを言いたくなる。
男の太腿を跨いで手に持つグラスを奪い取り、口に含んだジントニックを口移しで流し込む。
嚥下したのを見ると今度は氷を摘まんで、「絵を描くから動かないで」と言ってシャツ越しに滑らせ始める。
「冷たいよ。クククッ・・・くすぐったいし、冷たいよ」
「許して欲しい??二択だよ、水彩絵の具で背中に春画を書く、もう一度エッチをする・・・どっちを選ぶ??」
「春画かぁ、箱根だったよな。美術館の一部が18禁になっていたっけ・・・展示品が定期的に変わるって言っていたから、また行こうか・・・クククッ、オレがキャンパスになるのもいいけど今度にするよ」
「じゃぁ、もう一度してもらうよ・・・ウフフッ、本当は、あなたがもう一度したくなっちゃったんでしょう??可愛い私を見て催しちゃった??」
「あぁ、そうだよ。アユの魅力に抗する術は今日のオレは持ち合わせていない」
話す言葉とは裏腹に、瞳の奥を貫き通すような強い視線でアユを見つめると頬が朱に染まり、肌を触れずともドクドクと打つ鼓動が男に伝わる。
「ダメ、あなたに見つめられるだけで私は平静でいられない・・・好き、大好き。過ごす時間が長くなるほど抑えられなくなる。あなたが悪いんだよ」
アユの気持ちは知っているよ。言葉は必要ないと言わんばかりに強く抱きしめ、唇を合わせてそのまま倒れこむ。
あぁ~ン、いぃ・・・気持ちをキスと肌を撫でまわす手の平に込めると、息と鼓動が徐々に同調して昂奮していたはずの身体の芯が落ち着きを取り戻す。
貪るように激しく相手を求めていたのが、肌を合わせるだけで幸せだと思い始める。
穏やかに身体を求め、瞳の奥に宿る艶めかしい思いを理解して身体も心も満足するセックスにのめりこんでいく。

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