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不倫 ~immorality~

想いを巡らす 14

前夜のセックスを終えたあと、
「あぁ~、満足した。身体の芯に残っていた疲れが無くなって、よく眠れそう。起きられるかな??」
健に聞かせるともなく囁いた彩の声に、
「朝食はオレが用意するから寝ていても良いよ、起こしてあげるから」
その言葉に甘えたわけでもないが、バジルを摘むためにベランダに出た健の隙をついて忍び込んだ陽光に顔をくすぐられるまで目覚める事はなかった。

忍び込む風に紛れた潮の香りが彩の頬にキスをする。
海の好きな彩が海辺に住めば幸せになる。幸せな彩を見るオレも幸せになる。その仮定を確かめる価値があるだろうと引越しを提案したのは健で、10回のキスを返事に代えたのが彩。
カーテンの隙間から見える海は陽光を反射してキラキラ輝き、眩しさに目を細めてベッドの中でグズグズ過ごす幸せを満喫する。

フレッシュバジルをキッチンに運び、ディクサム茶葉で淹れたミルクティーを持って彩の元に戻った健は、
「アーリーモーニングティーを用意したよ。これを飲んで、夜から朝仕様に身体をチェンジすれば・・・クククッ」
「あっ、傷ついた・・・エッチな彩は嫌いなの??健に抱かれると気持ち良いんだもん、彩が乱れるのは健のせいだよ」
「ごめん、腕の中で乱れる彩を見ると、やっぱりオレは彩の事が好きだなぁって思うし、愛されていると思うよ・・・変な言い方して、ごめん」
「フフフッ、騙された・・・怒ってなんかないもん。前に健は言ったよ。昼は淑女で夜は娼婦に変身する彩が好きだって、そうなんでしょう??」
「そうだよ、可愛いな彩は。話す度、エッチする度に愛おしさが募る。彩の分身をポケットに入れて、いつも一緒に居たいくらいだよ」
「分身で好いの??」
「分身でじゃなく、分身が好いんだよ。彩は彩の時間を大切にする、オレはオレの時間を大切にする。二人で過ごす時間や場所が一番大切だけど、本来の彩も大切にしなきゃね。オレが好きになり、愛する事になった彩本来の良さを無くさないようにね」
「うん・・・」
カップを近付けると香りが脳を刺激し、飲むとディクサム茶に牛乳をたっぷり加えたミルクティーが起きたばかりの身体にしみわたり、細胞が活動し始めるのを意識する。

「起きるからシャツを取って」
「うん、どれ??」
「分かってるくせに、そんな事を言うと起きない。彩は寝る。シャツが無いから起きられない彩は、お腹が空いて死んじゃうかもしれない。可哀そうな彩」
健に背中を見せて寝るフルをする彩の肩は震え、笑いたくなるのを懸命に我慢している様子が見て取れる。
「これで良いか??」

小柄な彩が健のシャツを着ると肩が落ち、袖を二度も三度も折り返す。
ベッドから降りて、くるっと一回りした彩は嫣然と微笑み、襟元の髪に手を差し入れて描き上げ頭を振る。
「似合う??」
「あぁ、似合うよ。夜の彩は何処に行ったのかって思っちゃうほどだよ」
「どういう意味なの??褒めてるんでしょうね??」
怒った風を装いながらも表情は緩み、愛する男に愛される幸せが滲み出る。
愛する人がいると他人に対して優しくなり、愛する人に愛される安心感は不安さえもが芽生えにくくなる。
白い肌が青いシャツにくるまれて昼間の清楚な彩の雰囲気を醸し出し、健に抱かれて身悶えた昨晩の色っぽさを微塵も感じさせることがない。

薄化粧を終えてテーブルに着くと、彩が焼いたクロワッサン、チーズの香りが食欲をそそるキノコオムレツとソーセージ、薄切りトマトにモッツァレラチーズと生ハムを添えて摘みたてのフレッシュバジルと彩特製のバジルソースを掛けたカプレーゼが迎えてくれる。
「美味しそう・・・明日の朝食は彩が用意する番だから負けないようにメニューを考えなきゃ」
冷蔵庫の前にいる健の後姿に話しかけ、二人分の牛乳と野菜ジュースをテーブルに置くのを待って目を閉じ尖らせた唇を突き出す。
キスと大好きだよの言葉は彩の心を蕩かし、自然と身体の感度が良くなる。
キスされた後、健の表情を見るだけで身体が火照る。たとえ挨拶代わりのキスでもそれは同じ。愛されていると感じると彩の身体は一日の始まりに必要な活力が生まれる。

今日のパンは良く焼けていると思うしオムレツも美味しい。ソーセージを見ていると視線は無意識のうちに健の股間に移り、邪念を捨て去ろうとソーセージにフォークを突き刺すと同時に、「ウッ、しまった」と言う声が聞こえる。
「どうしたの??」
「彩を見ていたら牛乳を零しちゃった」
「もう、バカなんだから・・・早く脱いで。染みにならない内に洗っちゃうから・・・ズボンだけじゃなく、下着も脱いで。上も洗っちゃう??・・・冗談だよ、あれっ、パンツを脱いじゃったの??」
「彩が脱げって言うからだよ」
クククッ・・・元気なく陰毛に隠れたペニスの先端を指で弾いた彩は、ズボンと下着を洗濯するために立ち去る。


「ちょっと待って、話しは一旦休憩。健は下着を脱いで朝から彩を責めるの??」
「当然だよ。ハダカンボにした彩を寝かせてカプレーゼで飾り、舌が彩の感じるところをペロペロしながら食べるんだよ・・・我慢できないだろ、最後までやっちゃわないと」
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