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M 囚われて

囚われて-8

濡れたショーツと下着の入った袋を交互に見る詩織の訴えを無視して、男はベージュのワンピースを手渡す。
「これを着なさい」
「ブラジャーだけなの??下も穿かせてください・・・」
「それは後で考えよう。ワンピースを着なさい・・・サイズは、どうかな??」
ベージュのタイトミニワンピースを着た詩織は、さりげなく男に背中を向ける。男は自然な動作でファスナーを上げて髪を整え、正面を向かせて全身に視線を走らせる。
「サイズはピッタリだし良い感じだよ。上品なデザインが見た目清楚な雰囲気の詩織に良く似合う・・・姿見で確かめてごらん」
スタンドミラーの前に進み全身を映してみる。

色白の肌と黒いロングヘアーにベージュのワンピースがしっくりと馴染み、自分がこれほどエレガントに見えるのかと感激する。
太腿を半分ほども出しているのに上品さを損なうことはなく、スカート部分が切り替えデザインのようにシャーリングが効いているため、元々タイトなデザインである以上に身体のラインを強調する。ウェストの括れから腰に張り出すラインを強調し、上品な中に大人の女性の色っぽさも感じられて話す言葉が上擦ってしまう。
「私じゃないみたい・・・派手なデザインじゃないのに、エレガントに見えるし華やか。普段、こんな恰好をしたことがないからびっくりしちゃう」
「私も驚いているよ。ここまで似合うと思わなかったし、詩織が本来持っている清潔感を保ちながら、大人のセクシーさも強調する。男なら振り返らずにいられない女性だよ」
「ほんとう??・・・でも、私は、あなたに見てもらえばそれで満足」
「嬉しい事を言うね、詩織は・・・アクセントに口紅はもっと赤いのを使おうか」
隣室から真っ赤な口紅を持ってきた男に、誰のものなの、と聞きたくなるのを我慢する。

「あっ、忘れてた」
男の言葉に詩織は安堵する。ようやくブラジャーしか着けていない事を思い出してくれたと思ったが、それは間違いだとすぐに分かった。
買い物袋の中から小さな小箱を取り出して、開けてごらんと言う。
「素敵・・・これを私に・・・??」
「そうだよ、これも似合うといいね」
男は詩織から金色のネックレスを受け取り、クラスプを留めながらさりげなく首筋に息を吹きかけ、ワンピースと首の境目を指先でなぞる。
「アンッ、いやっ・・・気持ち良くなっちゃう」
「フフフッ・・・帰ってくるまで、我慢しなきゃな・・・それじゃ、出かけようか」
振り向いた詩織は、
「下着が・・・知ってるでしょう??ブラジャーしかつけてないよ」
「良いんだよ。シックなワンピース姿だから猛獣使いのように大股でどんどん歩くのは格好悪いからね、ノーパンを意識すれば自然とエレガントな歩き方になるだろう・・・」

前日の夜、ホテルからの道を逆に辿るように歩いて駅前に近付くと三連休の初日とあって人が多く、慣れないワンピースのせいもあって男の腕に手を絡ませて縋るように歩く。
詩織を見る男の視線が優しく、未だノーパンに慣れることなく股間をスースー感じながらもすれ違う人に違和感を与える事無く歩ける。
そっとウインドウに映る自分の姿を見ても、タイトなミニワンピース姿で精一杯エレガントに歩けている事に安堵と共に自信が湧いてくる。
足元を見ることなく視線を上げて前を見ると意識することなく腰の位置が高くなり、背中が伸びて膝下が伸びた歩き方になり、男の腕に縋るように絡めていた手も、いつのまにか添えるだけの自然な姿になっている。
「詩織、気付いている??・・・すれ違う男たちの物欲しげな視線とそれを咎めるような一緒に歩く女性の態度」
「そうなの??見られているなと思ったけど・・・下着を穿いてないって気付いた訳じゃないよね??」
まさかと思いながらも、股間が透けているのではないかと思い始めていた詩織は、思ったことを言葉にする。
「ウフフッ・・・透けるほど薄い生地じゃないし、裏地も付いているだろう。詩織の魅力だよ、自信を持っていいよ・・・私は、そんな詩織と歩いていることを誇らしく思うよ・・・この喫茶店で休憩しようか。窓が広くて外が良く見えるし、通りからもよく見えるってことだけどね」
男の意地悪なたくらみに気付いても反抗するどころか、羞恥を呼ぶ期待で身体の昂りを抑えることが出来ない。
ハァハァッ・・・「詩織、どうした??まさか羞恥責めを期待して興奮しているんじゃないだろうな??」
「そんな・・・そんな事はありません。普段着たことのない上品なワンピース姿に慣れないだけです」
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