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堕ちる

堕ちる・調教ー1

「ただいま・・・」
「お帰りなさい・・・お風呂の用意できてるよ、すぐに入って」
「分った・・・入るよ」
瑞樹に視線を向けても部屋の掃除を止めることなく、顔を合わせようともしない。
従順に見えて頑固。たとえ新田が相手でも、気に入らない事があると頑として主張を曲げない瑞樹の性格を知り尽くしている積りなので、あえて異を唱えることなくバスルームに向かう。

頭から始めて全身にシャワーを浴び、バスタブに浸かって全身を伸ばして目を閉じる。
ホテルの部屋を出る新田を見送った紗耶香の視線が思い出される。
胸に憂いを秘めた様子が瞳に宿っていた。
「明日は店に出るまで用はないんだろう??レイトチェックアウトをフロントに告げとこうか??」
「えっ・・・良いの??そうしようかな」
明日は店をはねた後、カジノでセックスチェックを受ける事になっている。
自室で悶々とその事を考えるより、ここでゆっくりと過ごして店に出た方が気分的に楽かもしれないと思う。
1500万円の借金を作った事を知らないはずの新田の気遣いが今は嬉しいと同時に申し訳ないし心苦しい。
「そうしなよ。じゃ、充分なデポジットを入れてチェックアウトが遅れる事を言っとくからね」
自然な素振りで紗耶香の腰に手を回して抱き寄せ、唇を合わせる。
「ハァハァッ・・・ドアを開けたままで、キスなんて。ホテルの廊下って公道と同じなんでしょう??」
「駅前でキスしたのを忘れちゃったのか??」
「あっ、そうだった、思い出した・・・アンッ、濡れてきちゃった・・・」
「クククッ・・・それじゃ、ここで良いよ。もう一度シャワーを浴びてアソコをきれいにして寝るんだよ・・・次に会う時はお土産を楽しみにして良いよ」

バシャバシャッ・・・何か言いたげに潤んだ瞳で見つめられると仕事とはいえ心が痛み、その瞬間を思い出した新田は手にすくった湯で顔を洗い記憶を振り払う。
瑞樹の気配がする。
衣服を脱ぐ音が途絶えて入って来る準備が終わったと思った瞬間、パチッッと音がして前触れもなくバスルームの灯りが消されてしまう。
見えない瑞樹に向かって話しかける。
「瑞樹の腰から尻を経て太腿に続くムッチリラインが好きなのを知っているだろう・・・どうして、暗くするんだよ」
「誰かさんと比べられたら嫌だもん・・・」

窓から忍び込む月明かりに照らされた白い肌が妖艶に輝き、疲れているはずの股間に力が漲る。
「どうしたの??びっくりしたような顔をして・・・」
「好い女とは思っていたけど、これほどとは・・・おいで、いつものようにオレの腿を跨いで座りなよ」
「ダメ、そんな言葉で騙されたりしないから・・・出なさい、ここへ座りなさい。早く・・・頭から足まで、きれいに洗ってあげる」
こんな時の瑞樹に逆らっても得にならない事を学んでいる新田は、素直にバスタブを跨ぐ。
「えっ、ウソ、どうしたの??・・・してきたんでしょう??」
新田の股間のモノは腹を打たんばかりに隆々とそびえ立ち、薄暗い中でも驚きの表情がはっきり分かる瑞樹は声を漏らしたばかりの口を押え、残る手を伸ばしてペニスに指を添える。
「熱い・・・どうして??しなかったの??」
「やったか、やんなかったは別にして月明かりの中の瑞樹の美しい裸身を見た正直な反応だろうな」
「クククッ・・・嬉しがらせようとしているの??そんな事はしなくても良いよ」
瑞樹は嬉しそうに顔をほころばせ、早く座りなさいと手と表情で急き立てる。
スカウトを終えた女性と最後に会った日は必ず行う儀式のようなもので、逆らうことなくバスチェアーに座ると手加減することなくシャワーを浴びせかけられる。
全身に振りかけたボディソープを泡立たせ、ハァハァと息を荒げて磨き上げるが如くに洗う。
自分以外の女性の気配は一切残さないと心に決めたような洗い方で、逆らったり苦情を言えたりする雰囲気ではない。
手足の指に至るまでこれでもか言うほどに洗い、最後に髪を洗った瑞樹はようやく納得して顔を綻ばす。
「ウフフッ、これでようやく貴男は私のものになった・・・我慢してくれて、ありがとう」
「我慢だなんて、そんな事はないよ・・・妬いてくれているんだろう??外で何をしようがどうでも良い、なんて言われるよりいいよ」
「ほんとう??私の心の内をぶちまけたら貴男は何て言うんだろうって、それが気になるの・・・でも、そんな事は言わないよ。口にすることで生じるリスクを考えたら黙っている方が良いもん」
帰宅後の一つ一つが十二分に胸の内をぶちまけているよと言う思いを飲み込んで、苦笑いを浮かべる。
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