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堕ちる

堕ちる-2

真っ暗な部屋で返済方法を考えるわけでもなく、ただ漠然と股間に指を伸ばす。
身体を差し出して返済に充てる覚悟は出来ている。
むしろ、見ず知らずの人達に見られながら凌辱される事に期待もある。
気掛かりは二つ、キャバ嬢を続ける事が可能なのかどうかと、新田にどう言い訳をするかという事。キャバクラ勤めは、将来、店を持つための資金作りであり、お客様から聞く話は勉強になる。無責任なハウツー本より役に立つと信じている。
ここに至っても新田に嫌われたくないし、言い繕う方法がないかと知恵を絞る。
名案があるわけでもなく、時間だけが過ぎて行く。
とは言え、紗耶香に焦りはない。
セックスは嫌いでないし、アフターに付き合ったお客様とホテルに入って一度限りの関係を持ったことも何度かある。
夏樹や有紀が複数の男に犯される事を見ても不快に感じる事がないどころか、羨ましいと思う自分がいた。

まとまりのない思いが脳裏を駆け巡り、指は意識しないまま股間を弄る。
クチュクチュ、ヌチャヌチャッ・・・アンッ、いやっ、どうして??どうして気持ち良くなっちゃうの、こんな時に・・・・・
頭は冴えるものの、身体の疲れに抗しきれず気付かない内に眠りに落ちていた。

ピンポーン・・・ピンポーン・・・遠くに聞こえた音が再び聞こえ、ドアホンの音だと気付いて時計を見ると12時ちょうどを指している。
何も身に着けていない事に気付き、手近にあったルームウェアを身に着けて玄関に向かう。
玄関に置いたままのバッグを片付け、脱ぎ散らかした靴を整えてドアを開ける。
「おはようございます。お待たせいたしました」
カジノで何かと世話をしてくれた男が柔和な表情を崩すことなく、いかにも強面な男を従えて立っている。
「こんにちは・・・起きたばかりですか??・・・出直しましょうか??」
「いえ、大丈夫です。ご足労頂き、申し訳ございません・・・どうぞ、お上がりください」

女の一人住まいで、さほど広くない部屋を気にする様子もなく男二人はテーブルを前にして腰を下ろす。
「狭い部屋で申し訳ございません。足を伸ばして楽にしてください・・・お茶を淹れますから」

お茶の用意をしながら二人の様子を見ると、さり気なく部屋の隅々に視線を走らせて値踏みされているような気がする。
二人の視線が洋服ダンスで止まる。現金や預金通帳を入れたバッグがあるのを感じたのだろうか、さすがに回収人の鼻は効くようだ。

お茶と共に、お客様から金沢土産だと頂いた落雁を勧め、
「頂き物ですが、かの地では有名な和菓子との事です。お召し上がりください・・・その間に、失礼して着替えをさせていただきます」
「心遣いは無用にしてください。こんな事は事務的に済ませましょう。その方が、お互いに気持ちが楽でしょう・・・とは言え、せっかくの落雁、いただきます」
テーブルを挟んで紗耶香が座ると、落雁を口に運んで舌の上で溶けていく感触と和三盆の上品な甘さを楽しむように目を閉じる。
目を開けて、お茶を一口飲んで口を開く。
「美味い・・・茶道に長じた殿さまが育んだ文化は美味い和菓子を残しますね。これもそうだし、松江にも不昧公が好んだと言われる落雁があるし・・・溶け具合といい後味の好い和三盆の甘さといい、本当に素晴らしい。酒にも目がないのですが、美味い和菓子と香り豊かなお茶、日本人に生まれてよかったと思います・・・あっ、失礼しました。余計な事を・・・」

緊張が一気に緩んだタイミングで強面の男が口を開く。
「早速ですが、このコピーを、お確かめください。この借用書の記載内容に間違いはございませんね」
カジノで紗耶香も立会いのもとに作成され、内容を確認の上でサインした書類のコピーが広げられる。
失礼しますと言って手に取って確かめた紗耶香は、間違いございませんと男に返す。
「返済方法は、どうされますか。現金若しくは、それに代わる有価証券等のご用意をされていますか??」
「いいえ、申し訳ございませんが用意できていません・・・私の身体を預けます」
「分りました。1500万円すべてを貴女の身体でご返済いただきます。金利は今日を初日として一日単位で計算します。一日はカレンダー通りではなく、丁度今、12時を起点として一日が始まります。よろしいですね??」
「分りました・・・よろしくお願いいたします」
「それでは早速ですが、確認のために全裸になって下さい。1500万円の回収方法の参考にします。それと、傷や刺青の有無なども確認させていただきます。貴女にとって大切な身体、全裸になっていただくのに無料でとは言いません。金利は今日から発生しますが、それに充当させていただきます」
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