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堕ちる

独りで-4

「貴男の仕事を理解している積りなんだけど、新しい女性をカジノに連れてくる度、嫉妬心が芽生える・・・怒る??」
「怒るわけないだろう・・・愛されていると思えて嬉しいよ」
「良かった、ごめんね。さっきの話だけど、私の好きな所へ連れて行ってくれる??」
「あぁ、そうしよう。どこか行きたい場所があるようだね」
「あるけど秘密。しばらく一人で想像したいの・・・アンッ、ダメ。漏れちゃう・・・貴男のが垂れちゃいそう」
ティッシュペーパーで股間を拭う瑞樹を見つめる新田の表情に眩しそうな笑みが浮かぶ。


紗耶香にとって嵐のような三週間が過ぎ、興奮冷めやらぬ経験をさせてくれた新田は1か月の出張という事でしばらく会えなくなった。
大切な客の一人だったが、あくまでキャバ嬢と客の関係であり店を離れて胸を焦がすような存在ではなかった。
出張と聞いた日は何事もなく時が過ぎて新田が帰った後、馴染みの客に誘われてアフターに付き合い、これまではホテルに入っていたのに疲れたと言って断った。
帰宅後、ベッドに横たわり、自然と指が股間に伸びた時、閉じた瞼の裏には新田がいた。
バカラ台で並んで座る二人の前にはカジノチップの山が出来上がり、周囲の人達の羨望に満ちた視線が熱い。

妄想は進行し、周りの視線を無視して新田の手が紗耶香の股間をまさぐる。拒否する紗耶香を、新田の左手が掴んで自由を奪う。
右手が乳房をまさぐり、バカラで興奮したせいもあり場所柄を弁えずに身体が反応しそうになる。
周囲の客の視線を感じて心も身体も熱くなる。
裸になった私を見たいの??・・・ダメ、見せてあげない。私はそんなに安っぽい女じゃない。
女の紗耶香の力は新田に敵わない。上着を剥ぎ取られると抵抗する気力も失せてしまう。
ブラジャーを外されるとバカラ台に居た客たちから、オォゥッ~と声が上がる。
その声に誘われるようにカジノルームのすべての視線が紗耶香に集まり、ねめ回す視線が被虐感を刺激する。
視線に犯される。心の奥に隠れていた淫靡な欲情が姿を現し、新田に命令される事なく自ら身体を開く。
下半身も脱がされて隠すことなく身体を露わに晒し、大勢の男たちや女の見ている前で辱められたい。

ハァハァッ・・・ベッドに横たわったままの紗耶香は正気に戻り、股間に這わせた指を顔の前で見つめる。
二本の指の間で滲み出た愛液が糸を引き、誰もいない寝室のベッドで一人、顔を赤らめる。
「何を考えているんだろう??・・・私は有紀さんと同じことなんかできないし、したいと思わない・・・絶対に思わない」
ハァッ~・・・天井を見つめて息を吐き、俯せになって枕に顔を埋める。

新田が出張から帰ってくる日を心待ちにしている。
結婚はしてないようだが付きあっている人がいるのだろうか。
新田にとって自分はどのような存在なのだろうかと思うと切なくなる。
店のナンバーを維持するために売り上げをねだったのが全ての始まりだった。
競輪で穴を取ったから余裕があると言う新田に高価なボトルを入れてもらい、競輪に連れて行ってもらって狙いのレースに相乗りで大儲けした。
ギャンブルのスリルを味わいたければ、秘密厳守を条件にもっと面白い場所に連れて行くと言われて会員制のカジノに行った。
ゲーム名は聞いたことがあったが、詳しいルールを知らないルーレットとバカラに参加して望外の勝ちを得た。そこはギャンブルだけでなく、セックスの欲求も満たしてくれる秘密クラブでドキドキするような経験も出来るらしい。
実際に男二人で女一人を可愛がる場面を目の当たりにして嫌悪感を催すどころか、性感が高まり羨ましいとさえ思う自分がいた。
「あぁ~、ダメ・・・そんな事を考えちゃダメ。新田さんが帰ってくるまでカジノには行かない・・・絶対に独りでは行かない」

紗耶香は洋服ダンスの隅に隠すように置いたバッグを開ける。
札束が一つと新田の言うズクが五つ入っている。
競輪とカジノでの勝ち金だ。ルールも知らず、教わりながら本能のままに賭けただけで150万円が手元にある。

新田の出張中も天職と思っているキャバ嬢として楽しくお客様の相手をする。
以前と違うのは誘われれば付き合うアフターを楽しく思えなくなった事。グラスの中の氷がダイスに見え、食事に供される卵がルーレットの玉に見える。
男二人と女一人が歩いていると、有紀たち三人の痴態を思い出して意味もなくドキドキしてしまう。
5日も我慢すると、新田が帰る日を指折り数えてイライラする気持ちを抑えきれなくなる。
そんなある日、売上だけが目的で、好きになれない客にアフターを誘われ、体よく断ったものの自分の気持ちを抑えきれなくなり、止めたタクシーに躊躇することなく住所を告げた。
バッグには50万円が入っている。
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