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M 囚われて

囚われて-1

窓一つない部屋。
ブ~ン・・・エアコンの音だけがする部屋の隅に詩織は一人蹲っている。
窓がない部屋には時計もなく、昼間であることの見当はつくが時刻は分からない。
立ち上がった詩織はドアノブを掴んで右に回しても左に回しても、これまでと同じようにびくともしない。
ドンドン音を立てて叩いても手が痛くなるだけで助けに来る人はいない。
ドアに寄りかかって何度も確かめた部屋を見る。天井からは手枷のついた鎖が下がり、正面の壁には手枷、足枷の付いた十字架がある。足載せ台の付いた椅子は背もたれの角度を変えるのであろうハンドルが付き、その椅子を見ていると素っ裸にされて拘束された自分の姿を想像して自然と身体が震えてくる。
顔を背けて目を瞑り、妄想を頭から追い払った詩織は部屋の隅に置かれたテーブルに目をやる。
テーブルに置かれたミネラルウォーターが目に入る。
朝食を終えた後は何も口にしていないので喉の渇きを覚えるものの、何も囲う物がなく剥き出しのトイレを見ると飲むのを躊躇する。
逃げることも出来ず、過ぎていく時間に身を任せるだけとなった詩織は、溜息さえも出ずに表情が虚ろになってくる。

テーブルのそばに置かれた飾り気のない白いベッドに座って、昨日の夕方からの出来事を想い出す。

今日からの三連休に旅行しようと計画を練っていた恋人と些細なことで喧嘩して売り言葉に買い言葉、ついには修復不可能になる言葉を互いに口にして別れる事になったのは一週前の土曜日の事。
学生時代からの付き合いの彼とは、卒業後の二年間も順調に愛を育んでいただけに心の支えを失ったようで、未だにぽっかり空いた隙間を埋める術がない。
昨日は、仕事を終えた後で連休の予定を楽しそうに話す同僚たちに早々と別れを告げて本屋に立ち寄り、今となっては些細な言葉の行き違いで別れることになった恋人との関係に人生の無常を感じスタンダールの恋愛論を買った。

楽しそうに計画を話す友人たちを思い出し、予定のない自分を精一杯の贅沢で慰めようと思い近くにあるホテルに向かった。
ホテルのロビーで何を食べようかと考えて立ち止まった詩織に男がぶつかった。
前のめりにつんのめった詩織に男は、
「あっ、ごめんなさい・・・大丈夫ですか??」
「私の方こそ、すみません。何を食べようか考えて立ち止まってしまいました。本当に申し訳ございませんでした」
「お一人ですか??私も一人で寂しいなって思っていたんですよ。ご一緒しませんか??」
仕事帰りらしい男は詩織より一回り位年上に思えるが、ネイビースーツに明るいブルーシャツを合わせてグレーの小紋柄ネクタイでまとめて若々しく見える。
ベルトもオーソドックスな黒で靴はストレートチップと安心感を与えてくれる。
「よろしいですか、お言葉に甘えても??」
声を出さずとも嬉しさを隠そうともせずに笑顔になった男に、ますます心を惹かれる。
「ありがとう・・・嫌いな食べ物がありますか、例えば肉、魚とか??味付けとか・・・」
「好き嫌いはありません。このホテルは友人の結婚式で来たことがあるだけなので、何を食べようか考えていたんです」
「結婚式ですか、連休前に一人じゃ寂しいですね・・・今日だけは恋人に代わって私にエスコートさせてください・・・そうだなぁ、目の前で焼いてくれる鉄板焼きなんかどうですか??」
「いいですね・・・涎が出てきそうですし、お腹がクゥ~クゥ~泣いてます。それと、私には恋人はいません。別れたばかりです・・・」

挨拶を兼ねて自己紹介を交えながらシャンパンで前菜を頂き、ロブスターのサラダに始まって焼きガニとテンダーロインを白ワインと共に美味しく食べ終わる頃には旧知の仲のように親しくなっていた。
恋人と別れた寂しさを紛らせてくれる男の軽妙洒脱な話と、ワインで高揚したこともあって久しぶりに楽しい時間を過ごし、男の肩を叩いて笑うこともあった。
楽しい食事時間は終わり、別れがたい思いでいたところ、男がバーに誘ってくれたので夜景を見ながらカクテルを飲んだ。
バーでも楽しい時間は足早に過ぎていき、気が付いた時は終電に間に合わない時刻になっていた。
男は、私のせいで申し訳ない、タクシー代を出させてくださいと言うので、酔いのせいにして男にしな垂れかかり、歩くのも面倒になっちゃった、ここに泊まりたいと口にした。
男は、私の家はすぐ近くだから泊まっていきませんか??決して、エッチな事はしませんからと言うので、男の住むこの家に案内されたのが25時過ぎだった。
この家で男は一人住まいのようだが、掃除も行き届き清潔感が漂っている。
風呂に案内されてシャワーを浴び、女性用の衣服はないのでこれで我慢してくださいと言う、柔軟剤の香りが残るジャージを付けて男とは別室で寝た。
いつ、忍び込んでくるのかとドキドキしながら待っていたが、そのような気配もなく、いつの間にか男に抱かれる夢を見ながら眠っていた。

そして朝になり、楽しくて飲み過ぎたアルコールのせいもあって男に声をかけられるまで眠るという失態を演じてしまった。
用を足して、案内されたテーブルに近付くと、食欲をそそるフレンチトーストの甘い香りが優しく迎えてくれた。
男の事が気になり、せっかくの美味しい食事もジュースと紅茶で流し込むように食べる始末だった。
詩織は思う。自分は美人だと思うし性格も悪くないはず、色気もそれなりにある方だと思う。その詩織を前にして女を意識することなく振る舞う男は、女性に興味がないのかと思ったりもしたが、そうではないようだ。
テレビコマーシャルに興味を示す場面があり、出演している女性は詩織が似ていると言われたことのある女優だった。

食事が終わると、男は家の中を案内するよと言って先に立ち、地下にあるこの部屋に連れてこられた。
「ここで待っていてください。貴女の衣服を買ってきます」
言葉を挟む暇もなく、男は詩織を残して部屋を出た。
ガシャン、ガチャガチャ・・・鉄の扉が閉まり、鍵穴に鍵を入れて錠を掛ける音が耳に残っている。

熟睡する詩織に手を出さず、あくまで紳士的に振る舞った男の真意が解らない。
この部屋に設えられたSM器具が気にかかる。
何よりも不思議なのは、この部屋の器具を見ているだけで息が荒くなる自分の心の内。
身体の芯からくる疼きを止めることが出来ない。

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

M 囚われて

囚われて-2

窓のない部屋では、どれほどの時間が経過したのかさえ分からなくなる。
平静でいられない精神状態では空腹感で時刻の見当を付ける事も出来ない。

SM器具を設えられた地下室に閉じ込められても、昨日から朝食までの男の振舞いを思い出して不安感を押し込め、紳士的な行動が続くと信じようとする。
緊張からくる喉の渇きを我慢できなくなった詩織は、テーブルの上のミネラルウォーターに視線を移して室内を見回しながら近付いていく。
手の中のボトルを見つめ、意を決したようにキャップを外して口に含む。
ゴクゴクッ・・・自棄になったわけではないが一気に飲み干して口元を拭う。
身体のあちこちに水分が行き渡り、生気が蘇ってくるのを感じた詩織は、窓のない部屋で誰も見ているはずがないと高を括り、天井から下がる鎖に触れて手枷を手首に付けてみたり、十字架を背にして立って万歳の格好で両手を上げてみたりと悲劇の主人公になった自分を妄想する。
SMチェアに近付いてみるものの、女性を甚振るために用意したとしか思えない
椅子に座る気持ちはさすがにわいてこない。
ベッドに戻り、SM器具を見ながらこれから先の運命を考えると不安が徐々に育ってくるのを抑えることができない。

尿意を覚えた詩織は室内の彼方此方に視線を巡らせ、見る人のいないことを再確認して隠すもののないトイレに近付いていく。
ガシャン・・・ドアが突然開き、買い物袋を持った男が入ってくる。
「お待たせ、お昼にしようか??上へ行こう・・・アッ、その前に着替えなきゃ・・・これで好いかな??気に入ってくれると思うけど」
快活に話す男から渡された袋の中を見た詩織の表情が驚きで曇る。
「無理です。これは・・・」
「大丈夫だよ。これを着てどこに行くわけでもないから・・・ルームウェアとして、ここにいる間は私の目を楽しませてくれないか??」
「・・・何もしない??」
「ハハハッ・・・女性に興味がないわけじゃないけど、嫌がる事をするのは好きじゃない。美しいものを愛でたいだけなんだから・・・信じて欲しい」
終電がなくなったからとは言え、初対面の男性にホテルに泊まりたいと言い、誘われるまま男性の家に泊まっても、拍子抜けするほど何もなく一晩を過ごさせてくれたのだから信用しても良いかなと思う。
視線の中のSM器具は気になるし、鍵を掛けて出かけたことなど不審な事もあるが屈託なく笑う男の笑顔がそれらを払拭させてくれる。
「信じることにする・・・抱かれても良いかなって思っていた夜に忍び込んで来なかったし・・・キャァ~、何言ってるんだろう」
「フフフッ、そんな簡単に男を信用しちゃだめだよ。ずるい男は紳士とオオカミの間を行ったり来たりするからね」
笑顔で男は狡いと言うのを聞いて、ますます信用できると思ってしまう。
「あなたがオオカミになったところを見てみたいかも・・・な~んてね」
「クククッ、バカにされちゃったなぁ・・・おいで、可愛い詩織さんとキスしたい」
不安を抱きつつも笑顔に引き寄せられるように男に近付き、抱き寄せられた詩織は目を閉じる。
男の唇が触れた瞬間、ウッと声を漏らして背中に回した両手に力を込めてしがみ付くように抱きつく。

「イヤッ、いやぁァ~・・・どうして??ダメ、許して・・・」
背中に回した右手を掴まれて天井から下がる鎖につながれた詩織は、恐怖に似た叫び声を漏らして許しを請う。
「ウフフッ、痛いことはしないから安心していいよ。私がいない時に此処につながれて甚振られることを妄想しただろう・・・違う??していないって言える??」
「・・・そんな事はしてない。苛めないで・・・抱いても良いから優しくして・・・」
口元を緩めて目元に笑みを浮かべた男の表情に悪意は感じられず、本音が全く見えない。
女を天井からぶら下がる鎖に繋ぐ事は非紳士的なのに、言葉や表情に邪気を感じないのが不思議でならない。
右手だけを鎖に繋いだ男は、抗う詩織の顔を両手で挟んでチュッと音を立てて唇を合わせる。
「可愛いよ。しばらく我慢してもらうからね、痛くしないって約束するから・・・」
「イヤッ、何でも言う事を聞くから縛ったりしないで・・・」
誤解しちゃだめだよ。抱くためではなく、着替えのためだからと言う男は、手足をばたつかせる詩織に取り付いて、ジャージのズボンを引き剥がすように脱がせて下半身を丸出しにする。
ハァハァッ・・・言葉もなく立ち尽くす詩織は剥き出しの股間が感じる冷気で下着を着けていない事を思い出す。
「いやんっ、ダメ、ダメッ・・・見えちゃう、恥ずかしい事をしちゃ嫌だっ・・・」
声は震えながらも媚びを売るような甘い声になっていることを詩織は気付かない。

M 囚われて

囚われて-3

見頃を首から抜き、左袖も脱がせたプルオーバーシャツを鎖に繋いだ右手に残し、
「ハサミで切ったりしたくないから、おとなしく協力するんだよ。分かったね」
コクンッと頷いた詩織は股間が熱を帯びたように熱くなり、それが伝染したように頬が火照る。
男は左手に手枷を填めて右手を外し、右手の腕に引っ掛かるプルオーバーシャツを脱がせて全裸にする。
「ヒィッ~、いやっ・・・だめ、許して」
自由になった右手で股間を隠し、背中を見せるように身体を捩ってしまう。
ダメだな、素直に見せてくれなきゃと言いながら再び右手を掴んで手枷で拘束する。左右の手を万歳の格好で頭上に繋がれた詩織は、股間や乳房を無防備に男の目に晒す。
ダメだ、こっちを向きなさい・・・背中を向けると、鋭い叱声が飛ぶ。仕方なく男に正対するものの羞恥に勝てず、両足を交差して股間を隠すと男はテーブルから黒い縄を取り出して詩織に見せる。
「縛って欲しいって催促しているとしか思えないな・・・どこを縛られたい??足??それともオッパイかな??」
「嫌っ、隠さないから縛ったりしないで・・・おねがい」
「きれいだ・・・私の言う通りにするんだよ・・・両足を開いて私を見なさい。前屈みにならない、胸を張って・・・そうだよ、それでいい」
全裸にされて天井につながる鎖に繋がれても、ベッドを共にしたいと思い催促に近い事を言う自分を抱く事がなかったという一点で、男に対する不安や恐怖が湧いてこない事を不思議に思う。

男の目に映る詩織は、時々見せる不安気な表情を必死に隠そうとして気丈に顔を上げ、手入れの行き届いた黒髪が胸まで垂れて清潔感を醸し出す。鎖骨の窪みが美しく、張りのある乳房の先端でツンと上を向く乳首が愛らしい。ウェストの括れから腰へ張り出すラインも申し分なく男の好みで、腿のムッチリ感や内腿から膝下にかけて隙間のできないのも良い。下腹部にも適度な膨らみがあり、秘所を隠す陰毛さえも清楚に見える。

忘れていた尿意が蘇り。詩織はもじもじと下半身を蠢かす。

「少し待っててくれる・・・用意するから」
エッ、何を用意するの・・・問いかけを口にする暇もなく、男は部屋を出てしまった。

素っ裸にされた上に自由を奪われ、怒りと嘆きが湧いてくるのが自然なはずなのに妖しい期待で身体の芯が熱くなってくる。
ホテルのロビーで急に立ち止まった詩織にぶつかった男に一目惚れだった。
三連休を控えて楽しく予定を話す同僚たちの様子に、一週間前に恋人と別れた寂寥感にいたたまれず自分を慰めようと考えていた詩織にとって、男はあまりに眩しく見えた。
一目見た瞬間に好みの男性だと感じ、大学を卒業して2年目の詩織が仕事以外で出会う男たちと違って、気負うことなく接する態度に抱かれても良いとさえ思った。その思いと昨晩からこの部屋で監禁されるまでの紳士的な態度を信じたいと未だに思っている。

「お待たせ・・・まだ、大丈夫だよね」
洗面器を手にして戻ってきた男は、詩織の尿意を知っているかのような言葉を掛ける。
「なに??洗面器をどうするの??・・・なに??何??」
詩織の声は震えを帯びて、下半身は一層切羽詰まったような動きをする。
「オシッコしたいんだろう??・・・我慢するのは身体に悪いからね。この中にしていいよ。私が持っていてあげるから」
「いや、出来ない。洗面器になんかオシッコしたくない。トイレに行かせて・・・お願い。早くっ・・・出ちゃうよ」
詩織の後ろに回った男は、手伝ってあげるよ、と言いながら右手に持った洗面器を股間に向けて左手で下腹部をヤワヤワと揉み始める。
「ウググッ、いやっ、そんな所を揉まないで・・・いやぁ~ン、出ちゃう、出ちゃうよぉ~」
「出せ、オシッコしちゃえ・・・楽になりなさい」
「イヤァ~ン、出ちゃう・・・見ないで、見ちゃいやだっ」
シャッ、シャァッ~・・・いやぁ~ン・・・バシャバシャ・・・詩織の悲鳴が閉め切った部屋で反響し、洗面器を叩く尿の音が響く。

M 囚われて

囚われて-4

「よく頑張ったね、えらいよ・・・見てごらん、オシッコがこんなに出ている。我慢していたんだね」
ガチャガチャ・・・顔を見られるのを嫌がる詩織は鎖の音を響かせて顔を背け身体を捩じる。
「イヤッ、恥ずかしい、見たくない・・・信用していたのに、こんな事をさせるなんて・・・」
「おいおい、素っ裸にされて両手を縛られた男を信用するのはおかしいだろ・・・拭いてあげるから動くんじゃないよ」
洗面器と一緒に持ってきた微温湯に浸した温かいタオルで股間を拭い、乳房に手を添えて先端を口に含みコリコリと転がす。
乳房が感じる快感で尿とは違う股間に滲み出る蜜を意識する詩織は、頬を紅潮させて足を捩る。
そんな詩織に男の嗜虐心がそそられる。

「動くんじゃないよ。静かに・・・静かにしているんだよ。下着を着けてあげるから」
袋の中の扇情的な下着を取り出して詩織に見せつける。
股間と乳房の先端をかろうじて隠すほどしかない大きさに詩織は唾を飲む。
「こんな・・・こんなに小さい下着は着けたことがない。恥ずかしい」
詩織の背後に回った男は、首筋から背骨の脇を撫で下ろす。ゆっくりゆっくり、指先の軌跡を詩織が意識するように撫でていく。
腰まで撫で下りた指は、産毛を逆立てるように爪の先で撫で上がる。
「いやぁ~ン・・・ゾクゾクする。気持ち好いのか悪いのか分からない・・・ハァハァッ、身体が自然に震える・・・変なの」
肩まで撫で上がると背中越しに抱き締めて、髪の生え際に乾いた舌を這わせ、耳に息を吹きかける。
「どうしたの??鳥肌が立ってすごいよ・・・寒いの??」
「オッパイを弄って・・・おねがい、生殺しは耐えられない、気が狂っちゃう」
ガチャガチャと音を立てて自由を拘束する鎖を揺すり、真っ赤に燃える瞳で振り返る。
舌と唇が首筋や肩を愛撫し、両手で乳房を揉み込み指が先端を弾く。
「クゥゥ~、いやぁ~ン・・・アソコも可愛がって・・・オッパイだけじゃ我慢できない」

両手で腰を抱きかかえるようにして前に回した手を股間に這わせ、耳元で息を吹きかけるようにして囁く。
「ごめんね、オシッコが拭けてないみたいだね・・・ここは濡れてるよ」
「からかっちゃ嫌。どうして濡れているか、知っているくせに・・・」
再び、タオルで股間を拭い、下着などの入った袋を手に取って幾つかある下着の中からホルターネックブラジャーを手に取り、これだと縛ったままでも着けられるね、と話しかける。
カップから延びる紐を背中で縛り、首の後ろを止めてブラジャーとセットの紐パンを着けさせる。
「見える??似合ってるよ・・・白い肌に黒のマイクロビキニ姿がエロイ」
「オッパイは先端しか隠れてないし、アソコも何かスースーするような気がする」
「うん??そうか、詩織には見えないのか・・・待っていなさい。鏡を持ってくるから」
「要らない。見たくない・・・恥ずかしい姿を見せて、からかう積りなんでしょう??」
詩織の言葉を無視して男は部屋を出る。
開け放したドアのせいで入り込む冷気に身体が竦む。

ガチャガチャ、ガタガタ、鏡を持ってくるとは思えない大きな音が響く。
入口を見つめる詩織の視線の先にキャスター付きのスタンドミラーが姿を現し、鏡に映る自分の姿を想像して身体が熱くなり火照りを止められない。

前に置かれたスタンドミラーから視線を逸らせたり、目を閉じたりする詩織に業を煮やした男は尻を叩く。
ピシッ・・・「目を開けて鏡の中の詩織さんを見なさい・・・どうだ、可愛いだろう??黒いビキニが似合っているよ・・・そう思うだろう??」
羞恥と自然と湧き上がる興奮で薄っすらと赤みを帯びた身体は、えも言われぬ色気に包まれており、鏡を見つめる詩織から羞恥が薄れていく。
「どうだ??どう思う??」
「自分じゃないみたい。今まで、こんな下着を着けたことがなかったから・・・」
「自分の姿に見惚れちゃうか??・・・この、ミニワンピを着せようと思ったけど止めとこう。せっかくの素晴らしいものを隠すことはないもんな、出かける時まで、これは取っとこうか」
袋から取り出したタイトワンピースを詩織の身体に当てて見せる。
「これを私が着るの??・・・色気がないから似合わないよ。恥ずかしい」
「間違いなく似合うよ。試してもいいんだけど、楽しみは後に取っとこう・・・それじゃ、昼食にしようか・・・フフフッ、下着姿の詩織がアペタイザー代わり、美味い昼食になるだろう」
手の拘束を解いた男は、買い物袋を持って詩織の先に立って歩き出す。

M 囚われて

囚われて-5

リビングは差し込む陽光でこれ以上ないほど明るく、マイクロビキニ姿の詩織は羞恥心が沸き起こって身体をすくませる。
男はそんな詩織を優しく見つめ、用意してあった昼食を窓辺のテーブルに運ぶ。
ローストビーフサンドはシンプルに味を際立たせるためにレタスだけを挟み、何種類かのベビールーフと玉ねぎ、大根を合わせたスモークサーモンサラダをボールに山盛りにして、オリーブオイルをふんだんに使った玉ねぎドレッシングを用意する。
二つ割りにして種を取っただけのアボカドは、ワサビと醤油を垂らしただけと簡単この上ない。
「これで好いかな??欲しいものがあれば用意するけど??・・・私はジントニックを飲むけど詩織さんは何が好い??ビールで好いかな??」
「昼間から酒を飲んだことがないので、お水をください」
男の前にはジントニック、詩織の前には閉じ込められた地下室で飲んだのと同じミネラルウォーターのボトルが用意された。

「いただきます・・・美味しそう」
詩織は、地下室で拘束されて素っ裸で放尿するところを見せたり、今もまた、男の目を楽しませるための下着姿で食事をしたりと淫靡に苛められている状況に麻痺したかのように食事を始める。
男は下着姿の詩織を話題にするものの、それは、スタイルが好いし清楚で美人、詩織さんを大切にしない男がいるなんて信じられない。あるいは、食事中の姿勢が良いだの、美味しそうに食べるから見ていると自分まで幸せになるだのと誉めそやす事ばかりで、信頼と不審の狭間で気持ちが揺らぐ。
サンドイッチを食べ、サラダを食べてジントニックを美味しそうに飲み、見ている詩織も食欲が増す。デザート代わりのアボカドを食べて、残っていたミネラルウォーターを飲み乾した頃、尿意に襲われる。
「中座して良いですか??・・・トイレに行きたい。ごめんなさい・・・」
「オシッコをしたくなっちゃったの??ミネラルウォーターのせいかな??もしかしたら、利尿剤が入っていたのかな??」
「えっ??・・・どうして??どうして、そんな事・・・トイレに行きたい」
「せっかくの楽しい食事中なのに・・・例え、利尿剤が入っていたとしても、詩織さんらしくないな」
利尿剤などと理解できない事を言う男は、トイレに行きたければ条件を二つ出すから、その内の一つを実行してからなら良いよと言う。

「そんな事・・・・・」
出来ないのなら、私が食事を終るまで待ちなさいと言う男が出した条件は、オシッコを我慢しながら一人エッチで逝く。もう一つは、オシャブリで逝かせると言うもの。
「そんな・・・どっちも出来ない、許して・・・抱いても良いから・・・うぅうん、抱かれたい」
男は詩織の言葉に返事を返さず、席を立ってチャイブクラッカーとチーズを用意してジントニックのお代りを作る。
「詩織さんは、ミネラルウォーターのお代りは必要ないね??」
ここに至っても詩織さんと、さん付けで呼ぶ意図が分からず尿意を我慢しながら混乱は増していく。
チーズを載せたクラッカーを美味しそうに口に運び、ジントニックを飲んで、ゆっくり味わいながら飲むからねと意地の悪い事を言う。
「ウッウッ・・・ダメ、漏れちゃう・・・我慢できない」
「クククッ・・・我慢できないんじゃ、しょうがないな・・・おマンコを弄るとオシコッが漏れちゃうだろうから、おしゃぶりしてもらおうか」
「そんな事・・・オシッコ出ちゃう、トイレに行きたい」
来なさい、と言う男の言葉で近付くと有無を言わせずブラジャーをずらし、剥き出しにした乳房を鷲掴みにする。

「トイレに行っていいよ・・・そして、帰りなさい」
「えっ・・・そんな言い方は卑怯・・・帰る気がないことを知っているのに・・・」
乳房を掴む手を覆うように両手を重ねた詩織は、好奇を宿らせた瞳を男の股間に向けて、ゴクンッと唾を飲む。
ガタッ・・・男は椅子を引き、テーブルとの間を開けて足元を目で示す。
詩織は一瞬の躊躇の後、好奇を宿らせた視線を男の股間に走らせる。
「オシッコを我慢して、おしゃぶりする・・・もう一度、おしゃぶりしろって命令して・・・自分からは出来ない」
「痛いか??オッパイを潰されたくなければ、フェラチオで満足させてくれ」
乳房を掴む手に一層の力を込めた男は、詩織の頭を押さえつけて跪かせる。
「ウググッ、痛いっ・・・オッパイが潰れちゃう・・・お口で満足してもらえるように頑張るから許して・・・」
乳房を掴む手を放して髪を撫で、気持ち良くしてくれるね、と話しかける。