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親友の妻

あやまち

「彼が付き合っている女性と別れて私の元に帰って来ても許せるかどうか自信がないの……彼を愛していることに間違いはないんだけどね」
「分かるような気がするけど難しい問題だね、理屈じゃないもんな。身体は許しても心が許せるかどうか……??」
「一つだけ思いついた方法があるんだけど……」
自信を取り戻したように見える彼女が、視線を下げて両手の指をいじり、肩を丸めた姿に戻る。
「それは、どんな方法なの??私に出来ることなら何でもするよ」
「それは……柏木さんでないとお願いできない……」

正座が苦しくなったのか、彼女は膝を崩す。またしても裾がずり上がり、腿の付け根辺りまで露わになり赤いショーツがほんの少し姿を現す。
天板越しに白くてムッチリの腿を見つめるオレはゴクリと唾を飲む。
オレの視線に気付いているはずの彼女は姿勢を正そうともせず、それどころか指を一本立て、その指で膝からスカートの縁まで内腿に沿ってゆっくりと撫でていく。
オレは唾を飲み、興奮で渇いた唇に舌を這わせ潤いを与えることしか出来ない。
「足を崩させて……」
彼女の言葉を聞いても喉が引きつったように動かなくなったオレは、無言で首を縦に振ることしかできない。
足を伸ばし、わずかに開いたり閉じたりをゆっくりと繰り返す。
腰の後ろに手をついて身体を支えた彼女は、静かに目を閉じ紅い舌がゆっくりと唇を舐める。
顎を突き出し、グロスを塗ったように艶が増した唇を尖らせわずかに開く。
そのまま踵を引き寄せて膝を立て、ゆっくりと開いていき閉じた目を開ける。
物欲しげに朱に染めた瞳がオレを捉えて離さない。
彼女の欲求を知ったオレは、友人の妻であることも忘れて淫靡な行為から視線を外すことが出来ない。

「私も彼が知る事のない秘密を作りたい……そうすれば、彼を許せるような気がするの……柏木さん、私に魅力はありませんか??」
「魅力的な女性です。滝の奥さんでなければ、すぐにでも口説くところです」
「奥さんはやめて、今日だけで良いから……名前で……うぅうん、名前はまずい、貴方の奥様や彼の前で間違えて呼んでしまうかも分からない、それは絶対まずい」
「歌詞にあったね、名前呼び違えては叱られて……ってのが」
「ほうせんか。中島みゆきさん、カバーしたのが真璃子さん、だったっけ??……そばに行ってもいい??」
彼女の言葉でオレは二人の間にある垣根を取り払うため、テーブルを部屋の隅に移動する。
テーブルは滝であり、オレの妻の象徴だ。

腕の中で丸くなり恥じらいを浮かべる姿に、計算ずくでオレを挑発した姿を想像できない。
「可愛いよ……滝に申し訳ない……」
「柏木さん、こうなったことを後悔しないで……貴方が奥様を愛しているのは知っているから、一回だけでいいの。私と彼のために……お願い。秘密は守ります」
「判った……先日、貴女と妻が仲良くしていたのが頭をよぎる」
「いやっ、今は私だけを見て……優しくして……結婚後は彼以外に抱かれたことがないの……」
左手で首を抱き、右手で顔に掛かる髪を取り除くと舌で唇に潤いを与え、密やかに目を閉じる。
濃厚になり過ぎないように気を付けながら唇を交わし、ルームウェアの上から腿から腰を撫で、嫌がる様子もないので脇腹を撫で上がり首筋や耳に指を這わす。
「ハウッ、ウゥゥ~……気持ちいぃ……脱がせて……」

ルームウェアを脱がせた彼女の白い肌は、熟れきった女性の魅力に溢れ、オレの男が天を衝くほど元気になる。
「きれいだ……ほんとに良いんだね」
「何も言わないで……今は何も言わないで、黙って抱いて欲しぃ」
再び唇を合わせ、舌を絡ませながら貪るように唾液をすする。
焦点が合わなくなった瞳をオレに向ける。
泣いているようにも見える瞳にオレは映っていないだろう。
滝とやり直すため、滝を許すためには自分も一度は泥水を飲もうと、オレに身体を開いたのに違いない。

何も考えるのはよそう。今はただ、オレの欲望を満足させることに集中しよう。
ブラジャーのホックを外し、ショーツを引き下ろす。
白く重量感のある乳房の先端で尖る乳首を口に含み、バギナに指を這わす。
蜜を滴らせるバギナは火傷しそうなほど熱く火照り、オレを迎える準備は整っている。
「入れて……欲しいの、我慢できない」
「入れるよ。痛かったら言うんだよ」
驚くほど敏感な彼女はオレの男を仰け反りながら受け入れ、温かい蜜壷で優しく包み込む。
蠕動運動を繰り返し奥へ奥へと引き込み、オレのすべてを吸い取ろうとしてい
るようだ。奥まで迎え入れようと膝を立てて大きく足を開き、間断なく喘ぎ声を漏らしながらオレの背中に爪を立てる。

「柏木さん……ありがとう。私にも秘密が出来たから、主人が相手と別れてさえくれたらやり直せる」
「なんと言っていいか判らないけど、滝は帰ってくるよ。奴が貴女に惚れているのは間違いないからね」


トイレから戻り、マスターからオシボリを受け取った滝はあっさりと話す。
「柏木、ありがとう。俺にとって何が大切なのか思い出す事が出来た。浮気相手には申し訳ないことをしたけど、土下座してでも許してもらう積もりだ。本当にありがとう……柏木、女遊びはお前に任せるよ。他人の女房に信頼されるお前なら、奥さんも浮気相手も幸せにできるだろう・・・」

その後の酒は旨かった。学生時代の想い出をツマミに、マスターを交え思い切り飲んだ。
滝の奥さんとの秘密は心の奥底に仕舞い、たとえマスター相手にも漏らしはしない。

遅くなったが、花屋は開いているだろうか??
もし開いていなければ、コンビニでスイーツを買って帰ろう。
「もしもし……オレだよ。遅くなったけど20分くらいで帰るよ……うん、迎えに来てくれるの??いつもの道を歩いて帰るよ……愛してるよ」

                    <<おしまい>>

親友の妻

動揺

滝と久しぶりに食事をした時の事だった。
「今日は俺が払うよ」
「お客様、このカードはお間違いかと思いますが……」
「うんっ、あっ、ごめん間違えた」
オレに顔を向けたまま財布からカードを抜き出した滝は間違いに気付き、気まずそうに直接ポケットに納めクレジットカードを差し出した。
店を出てから問わず語りに滝は話し始めた。
「気付いたか??ラブホの会員カードだ。仕事で何かとサポートをしてくれる女性が居るんだけど……お礼代わりに食事に行ったり飲みにいったりするうちに……お前と違って、真面目にやって来たから免疫がなくてな」
「オレには説教する資格はないが、可愛い奥さんを泣かせるような事はするなよ」
「判ってる、俺にとって一番大切なのは誰かという事はな……判ってるよ」
先週、金曜日の出来事だった。

「土曜日にスーツをクリーニングに出そうと思ってポケットの中身を取り出したらカードが……せめて、財布に入れておいてくれたら気がつかなかったのに……」
「…………」
オレは言葉もなく彼女の口元を見つめ、出てくる言葉にどう対応しようかと思い悩んでいた。
「そのカードは……隣の部屋においてあるんです。見ていただけますか??」
オレの返事も聞かずに彼女は立ち上がろうとする。
ガラステーブルのため立ち上がろうとした彼女の部屋着の奥が、天板越しにチラッと見えてしまった。
パイル地でピンクのミニ丈の奥に、扇情的とも言える真っ赤なショーツが見えた。
白くむっちりとした腿の奥のそれは、あまりに刺激的で欲情を抑えるため、オレは宙を睨み大きく息を吐く。

「ここにあるの、入って……」
ウッ……口に溜まった唾液を飲み、早鐘を打つ心臓の異変を気付かれないよう平静を装いながら、彼女の引いたドアから室内に入る。
淡いピンクのカバーを掛けたベッドが目に入った。ピンクとブルー、色違いの枕カバーが二つ並んでいる様子に唾を飲み込み舌で唇を湿らせる。ナイトテーブルには旅先で撮ったのであろうツーショット写真が飾られ、その隣にあるティッシュペーパーにドキッとしてしまう。

「今、出すわね」
入り口に立ち尽くすオレの傍を通り抜ける彼女の腕が触れる。成熟した女性の柔らかな感触に下半身が反応しそうになる。
窓の外の爽やかな風景のような、清々しいウッディ系の香りが卑猥な思いから開放してくれる。

「これなの……主人を信じていたのに……」
テーブルの引き出しから取り出した一枚のカードを、オレに見えるようにそっと置く。
「…………」
彼女は立ったまま、小さく肩を震わせて両手で顔を覆う。
オレは肩を震わせる友人の妻に慰めの言葉を掛けることもできず、ラブホの会員カードを見つめる。
手に取ろうとした瞬間、カードを床に落としてしまった。
オレと彼女は同時にしゃがみ、カードに伸ばした手が触れる。
「あっ、ごめんなさい」
「ごめんっ」
体温を感じるくらい間近で見る彼女は頬を紅潮させ、先ほどまでの自信無げな様子は影を潜め、朱に染まってはいるもののキラキラ光る瞳に淫蕩さを宿す。

一瞬交差した視線を不自然に逸らせ、再び手を伸ばす。
彼女の手が伸びるのを見たオレは手を引き視線を上げる。
ざっくりとした部屋着の胸元から覗く白い胸の谷間にオレの心臓は早鐘を打ち、口元を緩め瞳に淫蕩さを宿したままの彼女の視線がオレを見つめる。
自分を取り戻せないまま焦るオレは視線を落とす。
ミニ丈のルームウェアはしゃがんだために、白くむっちりとした腿のほとんどを露出させ、赤いショーツの影を意識させるほどずり上がっている。

不自然にフラフラと立ち上がったオレは背を向け窓外に目をやり、
「緑がきれいですね。この向こうは多摩川ですか??」
訳の分からない言葉を吐き、やっとの思いで平静を取り戻す。
「ウフフッ、フフッ……」
突然の笑い声に驚いたオレは振り返り、しゃがんだまま、裾の乱れも気にせず笑顔を見せる彼女に怪訝な顔を向ける。
「ごめんなさい……アハハッ、だって……可笑しいんだもん」
「可笑しいですか……ハハハッ、可笑しいですね。ごめんっ」
「この部屋じゃお困りのようですから、向こうへ行きましょうか。お茶を淹れます」

オレは紅茶、彼女はコーヒーを飲みながら暫らくの間、滝の浮気話を忘れ世間話で時を過ごす。笑顔を浮かべるようになった彼女は突然、話題を戻し、
「久しぶりに笑いました。カードを発見して数日ですけど、それ以前から今思うと色々あった事を思い出して土曜からは笑うことも忘れていました」
「ごめんね、相談されながら……」
「私に魅力があるってことですよね??それでドキドキするんでしょう??」
先ほどまでの視線を落とした自信無げな態度と違い、垂れた前髪に指に絡ませて上目遣いの媚を含んだような視線にオレは平静でいられない。
無言のオレに構わず彼女は言葉を続ける。
「最近の彼の様子に変だなぁとは思っていたの……帰りの遅い日に限ってお土産があったり、休日に出掛けたり……私の話に上の空だったり、妙に優しかったり……そして、あのカードが……」
「分かった。直接話してみようか??」
「柏木さんなら、ぐずぐず言わずにそう言うと思った。彼には、それが一番いいと思う。柏木さんの言うことなら素直に聞いてくれると思うし、思い上がりかも分からないけど、私の元に帰ってくれると思うの……だけど……」

だけど、と言葉を切り、続きを話さない彼女に不審な思いを抱いたオレは、
「私も彼の助言に何度助けられたことか……それに、彼が貴女にどれほど惚れているかを知ってるから、駆け引きなしでストレートに話したほうが良いと思うよ」
「うん、お願いします。私も彼を愛しているから別れたくない……もう一つお願いが……」
呼び方が、いつの間にか主人から彼になった事に気が付いた。

親友の妻

相談 

ギィィッ~……「いらっしゃいませ」
重い木の扉を開けると、いつもと変わらないマスターの声が迎えてくれる。
軽く手を上げて挨拶をしたオレは、カウンターの一番奥に友人の姿を認めて近付いて行く。
他には一組のカップルがビールを飲みながら楽しげに二人の世界に入り込んでいる。

「悪いな、誘っておきながら待たせちゃって」
「いや、そんなに待っちゃいないさ」
オレは灰皿の吸殻に目をやり、黙って隣のスツールに座る。
「この灰皿は前の客だよ。マスターが片付けてくれなくてな」
「ほう、こんな珍しいタバコを吸う人間が他にも居るんだ」
「細かいな。あぁ待ったよ、30分ほどだ」

「いらっしゃいませ。お二人そろってお見えになるのは久しぶりですね」
「秘密の話はこの店に限る。マスターの口はどんな鍵を使っても開かないからな」
「金庫に秘密を入れるより、何も知らないのが一番ですね。用があれば声をかけてください」
「じゃ、最初の一声。ジントニックをお願いします」
「俺には水割りのお代わりを……」
「かしこまりました」
オレの前にジントニック、友人の前に水割りを置いたマスターはオレたちの前を離れグラスを磨き始める。
この絶妙と言って良い間がこの店のウリの一つだ。
話し相手が欲しくてカウンターに座れば、ギャンブル・女・哲学までどんな話題でも相手をしてくれる。
もちろん、心地よい時間と空間を提供するマスターの作る酒が不味いはずがない。

「で、話とは……??」
オレはカップルの女性に視線を向けながら、友人の言葉にどう答えるべきか言葉を選んだ。
「……先日、滝、お前の奥さんに会った」
「そうか、連絡したのは……いや、いぃ柏木から連絡するはずがないもんな。女の事か??」
オレの視線に気付いた女性は、軽く口元を緩めて笑みをよこしながら連れの男に分からないように軽く眉毛を上げる。男の話に飽きているようだ。
「そうだ、奥さんは悩んでいたよ」
「顔を洗ってくる……」
滝の後姿を見送りながらオレは、あの日のことを思い出していた。


「柏木さん、主人の事で相談したいことが……お時間をいただけませんか??」
親友の奥さんからの一本の電話がオレに新しい秘密を一つ作ることになるとその時は思いもしなかった。
「外で会って迷惑をお掛けするのも申し訳ないので、うちへ来ていただけませんか??主人は出張で留守なんです」

オレを迎えた彼女は、シャワーを浴びたばかりのようでパイル地のルームウェア姿から漂う香りが妙に艶かしい。
ガラステーブルの向こうで肩を落として座る姿は儚げで、溌剌とした様子に好感を持っていたオレの心が痛む。
ミニ丈のルームウェアの裾から覗く白い腿の上で両手の指先を絡め、話そうか話すまいかと迷っている風情に不謹慎な思いが宿る。
「ごめんなさいね、こんな格好で……仕事から帰ったばかりで、汗を流したところなの」
「気にしないでください。私もこの季節は帰ればすぐにシャワーで汗を流しますから」

友人の滝に紹介され、初めて会った時を思い出す。
「彼は柏木、学生時代からの親友だ。彼女は俺の妻になる女性で、卒業を待って結婚する積もりでいる」
まだ学生だった彼女の瞳はキラキラと輝き、オレの視線を避けることもなく、正面からオレを見据え、滝との将来を信じて疑うこともなく明日を見ているようだった。

その彼女が今、視線を上げることなくオレの前に座り、猛獣の前でおびえる子ウサギのように自信無げに肩を落としている。
「滝の事で相談があると言っていたけど、もしかして……浮気とか??」
滝が会社の女子社員と付き合っている事実を知っていると悟られないように、口を開こうとしない彼女に聞いてみた。
「実は……そうなんです」
口にした彼女は、腿に置いた手を白くなるほど握り締め、ますます背を丸めて肩を震わせる。
オレは抱きしめたくなる思いを追い払い、
「証拠というと大げさだけど、どうして気付いたの??」
よそよそしくなく、立ち入り過ぎないように気を付けながらオレは聞く。
「……見ちゃったんです。ホテルの会員カードを・・・先週の土曜日に」
例のカードだ。滝の不注意をののしりたくなったが、唾を飲み平静を装う。

彩―隠し事

キス      

「どうだった、驚いただろう??手を伸ばせば届く範囲に何人も人がいる場所で見せるセックスをするのは」
「はい、驚きました。それよりも、喘ぎ声というか悲鳴というかあの声は外に聞こえる心配はないのですか??」
「それは大丈夫って分かっているから、このスタジオへ来たんだよ。元の持ち主がピアノの練習をしても大丈夫なように、窓も二重だし防音は完全だからね」
「元の持ち主って??引っ越しされて貸しスタジオにしてるんですか??」
「いや、そこんとこは色々あって、訳アリなんだよ。訳アリのスタジオって案外と多いんだ。霊感の強い女優だと何も言ってないのに妖気が漂うとか何か変な感じがするとかね……夢がなくなるから、この話はオシマイ」
満足できる仕事を終えた監督は雄弁で、友人の昔の知り合いの男に飲物を持ってきてくれないかと言いつけて、時刻を気にしながら後片付けの様子を見て優子たちの相手をしてくれる。

「監督、片付けが終わりました」
「よしっ、撤収だ……俺たちは集合場所までバスで戻るけど、君たちはこの近くに住んでいるんだろ??これは、俺の個人名刺。スカウトはともかく、また見学したいとか何か用があればいつでも連絡してくれていいよ。それじゃぁ」
くどい事を言わず、台風が通り過ぎるようにあっという間に部屋を出る。
友人が昔付き合っていたという男は名残惜しそうに手を握り、
「浮気したくなったら俺の事を思い出せよ。色んなセックスを見て当時よりも上手になったからな、ヒィヒィ、啼かせてやるよ、元気でな……優子さん、AVに出る気になったら俺に連絡ください。条件やら何やら力になります、忘れないでください」
「えっ、そんな事を言われても、その気になりませんから。申し訳ございません」
「そうだよ、失礼だよ。そんなだから、私も別れることにしたんだからね」
「そうか、ゴメン。連絡してくれて嬉しかったよ、それじゃぁ」

「このまま帰る??それとも、身体の火照りを冷ますために飲みに行く??」
「今日は帰る。明日は朝一で会議があるから、その準備もしなきゃいけないし」
「ウフフッ、あんなのを見ても優子は優子、昂奮したはずなのに冷静さを忘れない。やっぱり、優子は浮気なんて絶対に出来ないね。セックスへの好奇心はないわけじゃないし、小柄だけどムッチリの身体は抱き心地が良さそうだし、勿体ない。そうだ、監督も男好きする身体だって言ってたよね」
「もう、怒るよ……ウフフッ、いいの。私は亭主に浮気されても健気に堪える女。いつか私を幸せの国に連れ去ってくれる男が現れる……なぁ~んてね」
「うん、優子なら、その気になれば男なんて掃いて捨てるほど集まるよ……ねぇ、キスしていい??」
通り過ぎる人たちを気にすることなく優子をショーウィンドーに押し付けるようにして抱きしめ、女性らしく柔らかな唇を重ねて舌を侵入させる。
ウグッ、ジュルジュルッ……フグフグッ、プファッ~……
「ウフフッ、怒らないでね……優子が好き。じゃぁね、私はタクシーで帰る」

通りでキスをする女二人に興味津々で視線を送る人込みに一人残された優子は、羞恥で顔を上げることも出来ずに俯いたまま小走りで駅に向かう。
「ウフフッ、あんな所でキスされちゃった。いつか二人で温泉宿に行きたいって言っていたけど……二人きりになれば、どうなるんだろう??」
電車の窓ガラスに映る自分を見ていると、卑猥な思いを抑えることが出来ずに股間が熱くなるのを意識する。

健志にAV撮影を見学してきたと言えば何と言うだろうかと思わずにいられない。
AV女優さんの在籍するお店もキャバクラなど幾つかあるらしいから会ったことがあるかもしれない。でも実際に撮影を間近で見た事はないだろう、羨ましがるだろうか……そんな事を想像すると、自然と口元が緩む。
そんな優子を見て一人の男が優しく微笑む。
ゴホンッ、大袈裟に空咳をして奥歯を噛み締め、緩んだ口元を元に戻して軽く会釈をする。
シュゥッ~、シュゥ~……電車が駅に滑り込むと前に立っていた男が、失礼と言葉を残して降りていく。

自宅が見える場所になっても部屋は真っ暗で夫が帰宅している様子がなくて安堵する。
私の帰宅が遅くなると連絡したから浮気相手と遊んでいるのだろうかと思っても、以前のように気持ちが騒めくこともなく、明日の準備と次はいつ健志に連絡しようかと考えると自然と気持ちが高揚する。

「あなた、浮気相手とお泊りしてもいいよ。私は優しいの、黙って許してあげる」
友人に連れられて行ったSMショークラブや今日のAV撮影見学を思い出し、健志と過ごす時間に思いをはせながら嫌味な言葉を無人の部屋で吐き出す。
翌日の準備も終わり、大好きなバスタイムを早めに切り上げてベッドに入ったタイミングで夫の帰宅を知らせるドアの開閉音が聞こえたけれど、気付かぬ振りでオナニーもせずに目を閉じる。

「おはよう。昨晩は優子の帰りが遅くなるって連絡もらったから残業に熱を入れ過ぎたよ、ごめん。用意しといてくれたお茶と和菓子を食べてゆっくり寝ることが出来た。忙しいだろうに、ありがとう」
「いいわよ、私は遊びであなたは仕事。謝られるとかえって恐縮しちゃう」
「優しいな、優子は。申し訳ないけど、先に言っとくね。決まったわけじゃないけど金曜から出張が入るかもしれないんだ。出張と言っても接待ゴルフなんだけど、断れないしさ」
「最近、出張が多いようだけど大変だね。気にしないで良いよ、私も仕事をしているからよくわかる……私に出張はないけどね」
「ごめんね、決まったら直ぐに言うよ」

夫を見送った優子は、浮気相手がわがままを言うようになったのか、それとも夫が女に溺れているのか分からないけど、健志の存在があるから外泊が多くなってもイライラする事はなく、出張という言葉が心地良く響く。
健志と過ごす時間を思うと、今日も出張だと言われても腹が立たないのにとさえ思う自分に苦笑いを浮かべる。

彩―隠し事

撮影見学―3    

ジュルジュル、ジュボジュボッ……フグフグッ……突然、現れた専務に一瞬驚いた様子を見せ、宙を睨むペニスも陰毛に姿を隠そうとしたものの、次期社長候補と言われる男に穴兄弟の契りを結ぼうと言われた課長は大股開きで椅子に座り、剥き出しのペニスを小股にしゃぶらせて太々しくそそり立たせる。
「私を前にして、この太々しさ、頼もしいぞ課長。これからは志を同じくして会社のために頑張ろう」
大仰な物言いで太っ腹な処を見せた専務はネクタイを外してスーツを脱ぎ、シャツや靴下を脱ぎ捨てて下着一枚だけを残した姿になる。
「せ~んむ、焦っちゃダメだよ……それじゃぁ可哀そうか、ここに立って。手でしごいてあげる」
社内では次期社長と言われ怖いものなしの専務も、一介の女子社員であるはずの小股に掛かっては口答えすることなく唯々諾々と命に従う。

ジュルジュル、ジュボジュボッ……課長の怒張を咥えて顔を上下しながら、専務のパンツを膝まで降ろして引っ張り出したペニスをしごき始める。
「どうだ、小股君のオシャブリは最高だろ?? ……ウッ、いぃ、気持ちいいよ」
「専務、いつもより元気だね。大好きなオシャブリをしてないのに、こんなに大きくなって火傷しそうなほど熱い」
自らの格好を忘れてあっけにとられたように見つめる課長は、小股の手を弾きそうなほど昂奮する専務のペニスに年齢を感じさせない逞しさを見て、次期社長と目される男の精神的、肉体的頑強さを見たようで羨ましく思うと同時に、この人に誠心誠意尽くそうと心に決める。

フェラチオを施される課長の怒張はヌラヌラと輝いて口腔を出入りし、小股にしごかれる専務のペニスも年齢を忘れさせるほど逞しい姿を晒す。
小股の瞳は欲情を漲らせて妖しく輝き、誰が触れたわけでもないのに内腿にはナメクジが這った跡のように蜜が滲む。
ジュルジュル、ジュボジュボッ……「専務、気持ちいいです」、「そうか、小股君のフェラチオは最高だろう。私の歳でも一晩三回も可能になるほどのテクニックの持ち主だよ」……フグフグッ、ジュルジュル、ジュボジュボッ……
「プファ~……ハァハァッ……今度は二人で私を責めて、私を啼かせて、できるでしょう??」

「カット……いいよ、迫力満点だ。まぁ、そこらの会社の出来事としちゃ、ありがちな話だけど、君たちの演技のお陰でいい作品が撮れそうだ。休憩後も頼むよ」
満足げな表情の監督は三人をねぎらい、スタッフを見渡して満足の笑みを浮かべて振り返りざまに優子と友人にウィンクをして別室に消える。
女優は控室として用意された部屋に入り、専務と課長役の二人の男優は股間を剥き出しのままキッチンに移動して椅子に座る。
付き添ってくれる友人の友人が言うには、女優優先で控室やメイクさんなども用意されるけど、男優は特に控室を与えられない事も多いと言う。
「それより、このストーリーが現実にありがちな話だと本当に思ってるわけじゃないでしょう??」友人の言葉に返事をするときも優子に視線を向ける。
「分かってるよ、そんな事。監督の言葉が冗談か本気か分からないけどヒット作を連発してることは間違いないからね……それより、優子さん。出演する気になったら俺に連絡を下さいね、手柄になるから」

シャワーで汗を流して気分転換を済ませた三人は、素っ裸になって新しいシーンの撮影に入る。
優子は課長役の男の股間が気になって視線を外すことが出来ず、それに気づいた友人は、
「優子、まさか課長の事を思い出しているんじゃないよね??優子に不倫は似合わないよ、あんたは自分で気付いていないかもしれないけど、一途になりやすいんだからね」
「えっ、変な事を言わないでよ」

窓際で背後から女優を抱きしめた専務が首筋や耳に舌を這わせて熱い息を吹きかけながら乳房を揉み、正面に立つ課長がキスをしながら股間に指を伸ばす。
ハァハウッ……ウッウゥッ~、ウグウグッ……ジュルジュルッ、ヌチャヌチャ、見る者を興奮させようとしてキスも愛撫も卑猥な音を立て、見慣れているはずのスタッフの中にも生唾を飲んで息を荒げる者がいる。
チラッと友人の様子を見ると昂奮のあまりスカート越しとはいえ股間に手を伸ばして妖しく蠢かし、それを見た優子は乾いた唇に舌を這わせて滑りを与え、残業中にキスをしようと接近する課長を思い浮かべて、イヤッと声を漏らす。
我に返った友人は、どうしたのと優子を覗き込み、「うん??何でもない。ごめんね」と、自分でも意味不明の言葉を返す。

その後は窓から離れずに夜景をバックにして前と後、二つの穴に怒張を埋め込んで激しく責め立てる
「ウガガッ、ヒィッ~、だめ、壊れちゃう……お尻が良いの、もっと、裂けちゃうほど激しくついて」
「そうか、そうか、今日はいつもよりすごいぞ。課長のモノがいいのか??」
「いぃ、いいの。専務よりも硬いの、子宮に穴が開くほど突いてくるんだもん……ウガガッ、ヒィッ~、お尻、お尻が裂けちゃう、すごい、逝っちゃう」
悲鳴にも似た喘ぎ声は、隣室に聞こえるのではないかと優子は気になって落ち着かない。

ハァハァッ……その場に崩れ落ちんばかりに激しく出入りを繰り返して満足の証を小股の穴に吐き出した二人は、ハァハァッと荒い息を漏らして窓に手をつき窓外の景色に見入る。
「課長、家路を急ぐあの車列や人込みに紛れると、いま私たちが見ているこの景色に気付かない。いいかね、全部の車や人が一方向に動くのではなくて、中には方向を変えるのもある、高い処にいて全体を見ることも必要だって事が分かるだろう、威張れって事じゃない、それは勘違いするなよ。出世も含めて高見でないと見えない景色があるんだよ。課長、君にはこの場所に立つ才がある」
監督は専務にこの言葉を言わせたくて、この場所での撮影を追加したらしい。

「ありがとう、思い通りの作品が撮れた、お疲れ様。近いうちに、もう一度、同じスタッフで撮りたいな、その時まで、グッドラック……撤収準備」